2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K01678
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
星野 宏司 北星学園大学, 経済学部, 教授 (50438347)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 身体運動 / 可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の課題は「口腔機能と体力因子の関係」について口腔機能と運動中の噛みしめの強さに焦点をあてた。これまで運動時の噛みしめの強さは、伸張反射でH波の増大と関連することから、身体運動と口腔機能には関連性があることが示されている。 これまで、口腔機能との関連性を検討する際、背筋力、握力、肘屈曲筋力などの等尺性収縮による運動種目に限定されていた。本研究は可塑性による身体適応に着目しているため、スポーツ選手のように長期間の競技経験と身体トレーニングにより必要な体力特性を持ち合わせていることが考えられる。そこで、競技特性に適合した身体適応がなされ、十分な身体能力を獲得しているアスリートの身体特性を反映する体力因子の抽出と評価指標の策定を試みる必要が生じている。 そこで、本研究は競技種目に特化した被験者を対象に種目特性を考慮した体力因子による運動時の口腔機能との関連性を検討した。今年度は運動時の口腔機能のうち、咬合力に焦点を当て、筋パワーによるパワープロファイルの違いと運動時の咬合力の関係を整理して、口腔機能への影響を明らかにすることを試みた。すなわち、最大無酸素パワーを決定する負荷-速度関係から求められる最大無酸素パワー発揮時の負荷と速度条件で至適負荷条件の大きい「力型」と至適速度条件の速い「スピード型」のパワータイプと運動に随伴して発現する咬合力の関連性について検討した。その結果、パワープロファイルによって運動時の「噛みしめ」による咬合力の違いがあることが明らかになった。さらに、スピード型のパワータイプでは、運動に随伴して発現する咬合力が随意最大咬合力より大きな咬合力を示す場合があることを見出した。今後はパワープロファイルの違いに由来する可塑性に関して、パワープロファイルの可塑性が口腔機能に与える影響が出現する作用機序について検討を重ねる必要性が生じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動に随伴して発現する咬合力に与える影響を最大無酸素パワーテストで得られたパワー発揮特性との関連性を検討した。その結果、運動時に強い噛みしめが認められる対象者はスピード型のパワー発揮特性を示し、弱い噛みしめが認められる対象者は力型のパワー発揮特性をしめしていた。従って運動時の咬合力とパワー発揮特性には相互に関連していることが示された。現在、最大無酸素パワーテストのプロトコールを再度検証して、パワー発揮特性の分類方法の再現性と口腔機能の関連性について検討を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
運動に随伴して発現する咬合力と身体運動能力の関係を明らかにするために、運動様式や運動種目に着目して、運動条件を変えて運動に随伴して発現する咬合力の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度出版予定の論文掲載料や追加実験に用いる謝金、消耗品等を予定している。
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