2021 Fiscal Year Annual Research Report
Writing a Interdisciplinary and Transnational Sport History: Society and Physical Culture/Movement in the United States
Project/Area Number |
17K01694
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川島 浩平 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60245446)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | スポーツ史 / スポーツ人類学 / 北米アメリカ史学会 / スポーツ史学会 / スポーツの伝播 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の2021年度は論文3点、書籍4点を発表し、研究発表を4回行った。 論文は、アメリカスポーツ史研究を研究史的観点から振り返り、米国、日本、中国各国学界での連携を模索したJSH誌論文、通史の記述の方法論と枠組みの観点からの振り返りを試みた日体大紀要報告、スポーツ医学史の視点から問題提起をおこなったIJTHS誌論文の3点である。 書籍は4共著で一章から複数章を担当した。『教養としてのアメリカ研究』では、アメリカ合衆国の20世紀史をオリンピック大会と階級・人種・ジェンダーによるマイノリティ参加の促進という、これまで試みられることのない観点から記述した。『ハーレム・ルネサンス』の章ではアメリカスポーツ史上の盲点であり、またブラックボックスとされてきたハーレム・ルネサンスの時代を、スポーツ史上に位置づけた。『現代アメリカ社会を知るための63章』で担当した4つの章では、一般読者むけに「人種」「ジェンダー」「政治」「eスポーツ」をそれぞれ主題として、歴史学的検討と現状分析を試みた。Sports & Agingの担当章はスポーツ史研究者としてのパーソナルヒストリーである。 4回の研究発表では、これまでの研究成果をふまえ、今後にむけての展望と提案を披露した。北米スポーツ史学会でのセッションでは、本プロジェクトのテーマであった日米間のスポーツ伝播の動態を武道、科学など他種目・領域での動きと関連させながら、より広い角度から再考察した。日本アメリカ史学会シンポジウムでは、スポーツ人類学、スポーツ史学の理論と実践における近年の動向を紹介し、日本におけるアメリカ史研究との接合の方向を模索した。本プロジェクト3年目でまとめたバスケットボール研究の成果は、国際日本文化研究センターと日本スポーツ人類学会での2回の発表の機会を得て、より広い枠組みに位置づけられ、新たな視角からの分析とともに提示された。
|