2018 Fiscal Year Research-status Report
オリンピックリフティングは脚伸展動作の力-速度関係をどう変えるか?
Project/Area Number |
17K01696
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平山 邦明 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (20610447)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 至適負荷 / ウエイトリフター / ハングパワークリーン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スナッチやクリーン、さらにはそれらのプル系エクササイズに代表されるオリンピックリフティングが、脚伸展動作の力-速度関係にどのような影響を与えるか明らかにすることを目的としている。 スクワットやバンドを付加したスクワットでは、オリンピックリフティングを行った際に期待されるトレーニング効果が得られないことが、本研究の前提にある。この前提について間違いがないか確認した。その結果、スクワットを素早く行うようにすればするほど筋に負荷がかかる相対的時間が減ることやバンドを付加してもこの問題を劇的に解決できないことがわかった。 オリンピックリフティングではこういった問題が解決されることも確認した上で、最もパワーが発揮される負荷(至適負荷)が、最大挙上重量の何%にあたるか明らかにした。通常トレーニング現場や指導書などではクォータースクワット姿勢でバーベルをキャッチするように指導されているのに対し、ほとんどの先行研究ではキャッチ姿勢をパラレルスクワット姿勢を成功の基準としていた。多くの被験者は、負荷重量が軽い時はクォータースクワット姿勢でキャッチしていたものの、負荷重量が重くなるとともにキャッチ姿勢が低くなっていくことがわかった。先行研究では、最大挙上重量の60~80%が至適負荷とされていたが、これはキャッチ姿勢が低くなることをトレーニング現場や指導書よりも許容した場合の値であり、実際に現場で行われるクォーター姿勢でのキャッチを基準した場合は、最大挙上重量が至適負荷となることがわかった。これらの結果から、トレーニング指導現場でクォータースクワット姿勢でキャッチするという条件にもかかわらず、その60~80%に負荷を設定すると至適負荷でのトレーニングにならないことが判明した。 これらの結果については、国際学会および国際誌にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度の遅れが残り、追加実験および発表(学会・学術誌)に時間を割いたことでやや遅れているが徐々に遅れを取り戻しつつある。 当初計画していた次の研究課題については、海外の研究グループが類似内容の論文を発表したため、計画の修正を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の研究グループが類似内容を発表したが、計画はさらに先まであるので、その論文を引用しつつ、本研究プロジェクトをさらに進めることに大きな支障はない。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れ、縦断研究を開始できなかったため。また、研究補助者の雇用に学内の補助制度を利用することができたため。
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