2018 Fiscal Year Research-status Report
昭和14-16年厚生省下での全日本スキー連盟による国民体力養成の実態解明
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17K01699
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
新井 博 日本福祉大学, スポーツ科学部, 教授 (10222720)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スキー / 体力養成 / 講習会 / バッチテスト / 1級 / 2級 / スキー連盟 / 一般スキー要項 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目は, 昭和15年に日本スキー連盟が全国的に実施した全国スキー講習会について,以下の目的と方法に従い解明した.(全国スキー講習会の目的;全国スキー講習会の実態(前年同様)と意味を解明する.全国スキー講習会の方法;「実施要項」や各スキー連盟が所有する当該関連資料や新聞掲載記事を分析する.) 昭和13年7月オリンピック開催返上,国は銃後の守りとして国民「体力向上」と「精神作興」を目標とした.日本体育協会は,国民体育を完成させる方向で準備を進め,各団体に目的設定を呼び掛け,スキー連盟は講習会の開催を実施した. 全国スキー講習会の目的は,全国でスキー講習を簡単に開催できるようにして,体力の向上に役立たせることであった.従来は,長野県の野沢温泉スキー場や文部省の体育研究所に前項から指導者を集めて講習会を開催し,また地元に戻って指導させていた.だが,今後スキー講習会を全国で開催して指導員を任命し,指導員が居る地域では毎年スキー講習会を随時開催できるようにしたのである.全国40か所のスキー場で開始して,3,657名に及ぶ大勢が参加した.講習後にバッチテストが実施され,1級147名,2級505名の合格者を出している.尚1級合格者は,12月開催の指導者講習会に参加する資格を有した.しかし,反省点として以下のことが挙げられた. (1)本講習会の主旨が徹底せず,バッチテストのためと思われていた.(2)「一般スキー要項」に反する技術を講習した講師がいたこと.(3)級別テストの採点方法に各講師間に相違のあったこと.(4)今回は初めてで開催費用を本部で賄ったが,次から全国指導者講習会のみとし,地方の講習会は地方連盟が主催する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目までは研究が計画に従い順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
昭和16年の講習会については研究目的を解明する研究資料が少なく,資料収集の内容を変更していく可能性が生じている。関係したスキーによる体力養成の方法となるための項目に対象を変更することが考えられる.
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Causes of Carryover |
2018年度、資料収集において計画していた分だけ行けなかったことから、未使用額が発生してしまいました。 未使用額については、2019年度において国際学会に参加をすることで使用したいと考えている。
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Research Products
(5 results)