2017 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a three-dimensional space reconstruction method by simple camera calibration using a reduced model
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17K01700
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
中井 聖 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (80635293)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 3次元動作分析 / 特徴点 / コントロールポイント / DLT法 / 精度 / カメラ位置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,種々の球技種目の競技エリアに実空間での座標が既知である特徴点が含まれることに着目し,それら特徴点をコントロールポイント(CP)として用いた簡便なキャリブレーションによるDLT法によって,競技中の偶発的な動作を競技エリア全体で精度よく3次元的に分析可能とすることを目的としている. 今年度は,ネット型の球技種目であるバレーボールを取り上げ,カメラの設置位置を多様に設定するため,競技エリアを模した縮小モデルを自作した.カメラの縮小モデルの中心に対する俯角あるいは光軸の交差角を変化させて2台のカメラを設置し,縮小モデルを撮影した.そして,先述した方法により競技エリア全体に配した基準点の3次元座標を算出し,カメラの設置条件間での比較を行った.その結果,全ての条件において,競技エリア全体にわたって,撮影映像を3次元的に解析する際の許容範囲内の誤差で3次元座標が算出されることが分かった.しかし,算出された3次元座標は,競技エリア内で一様の誤差ではなく,概して外側に位置する基準点ほど誤差が大きくなる傾向,鉛直位置が上方ほど中央部で誤差が小さく,外側で誤差が大きくなる傾向が見られたことから,CPと分析点との距離が3次元座標の再現精度に影響を及ぼすことが示唆された.加えて,カメラの設置位置の変化によって,算出される3次元座標の誤差は基準点全体で一様に変化するのではなく,基準点ごとあるいは座標ごとに異なった変化を示した.この変化は,カメラの俯角あるいは光軸の交差角の変化に伴う各座標軸方向の空間分解能の変動の影響によるものであると考えられた. これらのことから,本研究の方法は,計測空間内における3次元座標の再現精度の特徴を考慮して用いることで,競技スポーツ場面において簡便に競技エリア全体を分析可能な方法となり得ることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では,今年度内にバレーボールコート内の特徴点や基準点を高精度で規定した縮小モデルを作製し,モーションキャプチャカメラによって光学的に各点の2次元計測座標を取得するシステムを購入し,計測を開始する予定であった.しかし,縮小モデルの設計や材料の選定,作製精度の担保等の問題により製作が遅れ,納入が年度末となったことに加え,納入後に縮小モデルの不具合が見つかり,補修が必要となったことや,縮小モデルの製作コストが当初の想定を上回り,今年度中に測定システムに用いる全ての物品を購入することができなかった.これらの理由により,計画していた計測は次年度に行うこととした.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の理由により,研究全体の進捗状況がやや遅れているが,その間にバレーボールコートの縮小モデルを自作し,従来のカメラと動作分析システムによって前述の結果を得た.これらの結果は,縮小モデルの作製やカメラの設置に関する誤差,2次元計測座標の手動による取得誤差を含むが,実際の競技スポーツ場面における撮影およびその後の動作分析に極めて近似した条件で計測された結果である.今年度と同様の撮影条件を設定し,次年度補修完了した縮小モデルとモーションキャプチャカメラによる測定システムによって計測した結果と今年度の計測結果とを比較することで,先述した種々の誤差が3次元座標の算出にどのような影響を与えるのか検討することが可能である.また,バレーボールの縮小モデルの製作費用の超過により,次年度予定しているゴール型球技の縮小モデルの作製が叶わない可能性もあり,一旦今年度取り上げたバレーボールに資源を集中して取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
バレーボールの縮小モデルの作製費用が当初計画よりも増大したため,他の物品費や旅費等の支出を調整したが,モーションキャプチャカメラによる測定システムの一部の物品については,今年度の購入が不可能となった.その影響により残額が生じた.残額については,次年度助成金と合わせ,次年度当初予定から物品費や旅費等の支出を少し見直し,測定システムの残りの物品の購入に充当する予定である.
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Research Products
(4 results)