2018 Fiscal Year Research-status Report
画像・音声認識による剣道競技者追跡と有効打突判定条件の定量化
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17K01708
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 隆 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (30634620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 哲 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (80271881)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モーションキャプチャー / 運動解析・評価 / 音声認識・理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
“打突の有効性判定(実験1)”実現のための「充実した気勢」の評価については,これまでの研究により打突に要する時間を検出し,その時間から逆算した音声を切り出し,評価することが必要であることが明らかになった.そこで,竹刀の打突部と打突部位(面,小手,胴,突き)に振動センサ,ディジタル無線装置,信号処理用マイコンを有する超小型デバイスを取り付けたシステムを構築することでその有効性を評価したところ,1ms程度の精度で打突に要する時間を検知することができた.本研究の成果は,2018年電子情報通信学会ソサイエティ大会 A-9-9 および第24回高専シンポジウム in 小山にて発表を行った. また,「竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突」の評価として,2名の競技者の打突部位を判別・追跡するために,面形状の複数パターンをテンプレートとして登録後,マッチング処理にて面を判別し,さらに,抽出した面の重心座標から他の打突部位を判別・追跡する手法を提案した.また,2名の競技者の打突動作時の竹刀の追跡を目的として,フレーム間差分法と2本の竹刀が交差することによる隠蔽を抑制するための独自のアルゴリズムにて,95%以上の確率で追跡に成功した.この成果は,日本設計工学会東北支部平成30年度研究発表講演会および日本機械学会東北学生会第49回卒業研究発表講演会にて発表を行った. “競技者への追従(実験2)”を目的とした取り組みについては,審判員の役割を務めるロボットに競技者の位置情報を提供するために,競技者を上方のカメラにて撮像した画像から,競技者の位置,2名の競技者間距離および各競技者の動作量を計測するシステムをテンプレートマッチングとフレーム間差分法を適用した手法にて提案し,実験による検証を行った.さらに各競技者の動作量を解析することで初動の検出も可能であることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験1 打突の有効性判定 「充実した気勢」を明らかにすることについては,充実した気勢をスペクトルエントロピーの変化で検出するために,打突のための発声位置付近で,正しく切り出す必要があることが明らかになった.また,振動センサとセンサネットワークを用いたシステムのプロトタイプを構築することができた.現時点では,予定通りの進捗である.「竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突」を明らかにすることについては,競技者が打突動作を行う際の竹刀の打突部位への接触有無検出,打突部位の追跡に関する基本手法を決定したが,隠蔽抑制への対応は不十分であり今後改善が必要であることから,進捗はやや遅れている. 実験2 競技者への追従 小型移動ロボットキットへ情報提供するためのシステムとして平成30年度に提案したカメラシステムを含めた実験を進めてきたが,今後,実環境下での検証が必要であるため,進捗はやや遅れている. 実験3 競技者年齢,男女別傾向への追従 平成30年度までの取り組みでは,男性(10代~40代)に限定した実験であり,女性の傾向解析に関する実験が今後の課題である.
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Strategy for Future Research Activity |
”打突の有効性判定(実験1)”を目的とした「充実した気勢」を明らかにすることについては,スペクトルエントロピーの変化で検出することは,精度向上のために複数の被験者を用いて引き続き検討中である.打突位置と時間を振動センサと無線ネットワークにて検出する方法については,現在4ch(相手の竹刀,面,胴,小手)にて成功しているが,12ch(竹刀,面,右胴,左胴,右小手,左小手の其々を自身と相手)において遅延なく検出可能であるかを検討する必要がある.「竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突」状態を明らかにすることについては,平成29年度に打突部位への竹刀の接触有無検出,平成30年度に打突部位の判別・追跡に関する基本手法を決定したが,隠蔽された打突部位等への対応が不十分であるため,その抑制に向けた取り組みを行う.また,打突の「有効度」を定量化するための実験検証を継続していく.” 競技者への追従(実験2)”を目的とした取り組みは,小型移動ロボットキットへ情報提供するためのシステムとして平成30年度に提案したカメラシステムを含めた実験を実環境下で進め,その有効性を評価していく.最終年度となり,競技者年齢,男女別傾向に追従させるための実験”競技者年齢,男女別傾向への追従(実験3)”を併せて進めて行く.
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Causes of Carryover |
競技者を上方より撮像するための環境が一部整備されなかったことから,物品費が予定額まで達しなかった.次年度は,競技場内の撮像環境の検討を行い,高フレームレートのカメラ,レンズおよび照明機器の導入をすすめる予定である. また,成果報告のための研究会が本校を会場としていたことから,旅費についても予定額まで達しなかった.次年度は,研究会参加および技術相談等を行うための予算としての利用を考えている.
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Research Products
(6 results)