2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development and effect verification of psychological diagnosis system for Japanese top athletes
Project/Area Number |
17K01710
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
立谷 泰久 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 先任研究員 (10392705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇土 昌志 宮崎大学, 教育学部, 講師 (10648588)
村上 貴聡 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 教授 (30363344)
荒井 弘和 法政大学, 文学部, 教授 (30419460)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 競技心理検査 / トップアスリート / フィードバック用紙 / 心理的スキル / 自己理解 / 競技専心性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究のまとめとして、Journal of High Performance Sport(JHPS)に論文(タイトル:トップアスリートに求められる心理的能力を評価する心理検査の開発)を投稿し、受理された(印刷中)。これにより、本検査は科学性・論理性が担保でき、高い信頼性を持ってトップアスリートになるための心理的能力を診断できるものになった。本検査は、3尺度・10因子(心理的スキル尺度:①自己コントロール・②集中力・③イメージ・④自信、自己理解尺度:⑤一貫性・⑥自己分析力・⑦客観性、競技専心性尺度:⑧目標設定・⑨モチベーション・⑩生活管理)で構成されており、トップアスリートの心理的能力を包括的に評価できるものである。3尺度について、「心理的スキル尺度」はパフォーマンスを発揮するために必要な心理的能力を、「自己理解尺度」は自己理解に対する姿勢やそれに基づく行動の一貫性を、「競技専心性尺度」は競技に対する姿勢や熱心さをそれぞれ測定できるといえる。そして、結果(評価)のフィードバックとしては、分かりやすくするためにレーダーチャート(表)を作成し、また説明の文章表現は平易にし、理解が進むように工夫した。さらに、10因子の評価した後の理解と行動について、①自分の課題を明確化、②課題に対する対策の立案、③対策の実行、④対策の修正という流れ(システム)を作成した。そして、その効果においても個別(1対1)サポートで確認した。効果の検証は事例的なものであるが、3尺度・10因子を数値化でき、アスリート自身が何を強化すればいいのかが分かることで、その後の対策が立てられることになり、その有効性が確認できた。今後は、10因子に影響する要因やアスリートの属性・競技別の検査結果の検証により、アスリートの心理面強化や問題解決を促進する知見が得られると考えられる。
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