2019 Fiscal Year Research-status Report
陸上競技短距離選手に対する高地/低酸素トレーニングの有用性の解明
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17K01711
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
鈴木 康弘 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 先任研究員 (00392697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前村 公彦 筑波大学, 体育系, 准教授 (40454863)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スプリントトレーニング / 400m走 / MART / 有酸素性能力 / 無酸素性能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
400m走を含めた陸上競技トラック種目は、オフシーズン期において、有酸素性能力及び無酸素性能力を高めるようなトレーニングが実施されているが、このオフシーズン期におけるトレーニングを通して、実際にどのような体力が向上しているのかを検討した研究が行われていない。そこで本研究では、オフシーズン期のトレーニングによって、実際の運動パフォーマンス及び体力がどのように変化しているのかを検討することを目的とした。 本研究では、7名の日本トップレベルの女子400m走者を対象に、オフシーズン期初期の12月及びオフシーズン期後期の2月にパフォーマンステストを実施した。12月から1月にかけての1か月間は、有酸素性能力を高めるトレーニングを中心に実施し、1月から2月にかけては、無酸素性能力を高めるトレーニングを中心に実施した。いずれの時期においても低酸素トレーニングを実施していた。運動パフォーマンステストとして、トレッドミルを用いた無酸素性最大ランニングテスト(Maximal anerobic running test: 以下 MART)、屋内にある全天候式直走路にて、60mの全力走を実施した。また、電動式自転車エルゴメータを用いて1kpの負荷で10秒間の全力ペダリング運動を実施した。10秒間の全力ペダリング運動時の最高回転数及び平均パワーを測定した。その結果、MART時の総走行時間は、12月よりも2月において、有意に増加したが、60m走のタイム及び最高走速度には有意な変化が認められなかった。また、自転車エルゴメータを用いた1kp負荷での全力ペダリング運動では、12月と2月の平均パワーには有意な変化が認められなかったが、最高回転数は12月よりも2 月において有意に増加した。さらに、体重及び除脂肪体重量が、12月よりも2月においてそれぞれ有意に増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画としてはすべて終えることができているが、成果発表に関しては不十分であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた知見を国内・海外学会において発表し助言等を得たあと、論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
データ処理用のPCを購入予定であったが、リリースされた新OSに利用したいソフトが対応していなかったため、購入を延期した。また、年度末に海外の学会に参加する予定だったが、新型コロナウィルスの影響により学会が延期になった。 これらの予算は次年度末に開催される国際学会の参加費・渡航費に使用する予定である。
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