2019 Fiscal Year Research-status Report
ボッチャ選手における呼吸筋トレーニングを活用した強化プログラムの開発
Project/Area Number |
17K01730
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
片岡 正教 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 講師 (60611910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 邦晴 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (20269856)
一場 友実 杏林大学, 保健学部, 准教授 (30531470)
曽根 裕二 大阪体育大学, 教育学部, 准教授 (40612172)
岩田 晃 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (90382241)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ボッチャ / 呼吸筋力 / 脳性麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボッチャ選手は重度な障害を有した四肢麻痺者であり,特に脳性麻痺や,筋ジストロフィー症等の重度麻痺を呈した進行性疾患が多く,直接的に身体的なパフォーマンスを向上させることが容易でない。ボッチャ選手の競技パフォーマンスの一つに投球距離が挙げられ,日本選手権大会の決勝大会に出場する競技パフォーマンスが高い選手は,予選会で敗退する選手に比べ,遠投距離が長いことがわかっていたが,これまでに調査した選手に対して,さらにパフォーマンスが高い強化指定選手,決勝大会に参加する選手,予選敗退選手の3群に分けて分析したところ,特にパフォーマンスが高い強化指定選手は他の2群に比べて有意に投球距離が長いことがわかった。 また,脳性麻痺ボッチャ選手の自律神経活動,特に副交感神経活動が,一般成人に比べて低いこともわかり,ターゲットスポーツと関連が強いとされる副交感神経活動の増加においては,選手の遂行可能な寝返り動作等を速く反復するトレーニングを行うことで機能の向上が見られることもわかってきている。体幹筋の賦活が上肢の円滑な運動を導くことは一般的に知られているが,自律神経機能と呼吸機能の関係性も強いことが考えられることから,自律神経機能の側面からも選手の評価を行っていくことが重要であることが考えられた。 本研究で対象としているボッチャ選手13名については,ほとんどの選手で拘束性喚起障害を呈していることがわかった。また肺年齢が高いこと、一部の選手を除き、肺活量が低いことも明らかとなった。呼吸筋トレーニングの効果については現在検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
呼吸機能検査については実施ができているが,被験者数としてはまだ不十分なところもあり,呼吸筋トレーニングについても全ての選手に介入できなかったこと,トレーニングの実施を継続できていない選手がいたことなどから,十分なデータが収集できなかった。さらに,新型コロナウィルスの感染による影響で,一時的に研究が中断したこともあり,追加での実施をできず,最終年度であったが研究が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
呼吸機能検査の対象とする選手数を増やすこと,呼吸筋トレーニングの介入を行う選手の人数を増やすことを進めていく。また別の視点から,ボッチャ選手のトレーニング効果について検証を進めていたところ,自律神経機能の重要性も明らかとなってきており,呼吸機能との関連性も強いことが推察されるため,自律神経機能との関係性についてもより詳細に分析をしていくことが必要と考えられたので,期間延長についての承認が得られたので,追加で検証をしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
対象者を集めること,選手への介入がまだ十分に行えていない部分が多く,呼吸筋トレーニングの消耗品等の購入数が少なかったため次年度使用額が発生した。
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Research Products
(5 results)