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2018 Fiscal Year Research-status Report

ドイツにおける移民の社会統合の促進とスポーツクラブの役割

Research Project

Project/Area Number 17K01733
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

黒須 充  順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 教授 (50170121)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords地域スポーツクラブ / 社会的統合
Outline of Annual Research Achievements

日本とドイツは、少子高齢化という共通の課題を抱えているが、外国人の受け入れについてはその考え方と政策において違いが見られる。ドイツ連邦統計庁の国勢調査によると、2015年現在、「移民的背景を持つ者」は、約1,710万人で、ドイツ総人口の21%を占めている。2015年以降、ヨーロッパにおいて反移民・反難民の動きが活発化し、外国人受け入れに対する危惧やヶ年が高まっている。こうした状況にもかかわらず、ドイツでは今も移民や難民を積極的に受け入れている。こうした国の政策を背景として、他国からの移民を社会に統合するという点でスポーツクラブの果たす役割が益々重要になっている。2019年3月15日から23日まで7泊9日の予定でドイツを訪問し、実際に移民の受け入れを積極的に行っている「ヤン・カペレン体操クラブ」「オルケン体操クラブ」「TUSグレーベンブロイヒ」「ロートヴァイス・ギーラス体操クラブ」「ノイス水泳クラブ」「SGカールスト」「TSV バイヤードルマーゲン」の7つのスポーツクラブを訪問し、理事の方々と地域スポーツクラブの果たす社会的統合の役割と機能について様々な意見交換を行った。その結果、スポーツクラブにおけるスポーツ活動の場が、移民同士または移民と地元住民の会話の場となったり、犯罪等の地域が抱える問題を緩和するきっかけとなったり、相互の文化に対する理解を深める機会や母国から離れて暮らす移民の帰属意識を回帰させる機会になるなど、さまざまな側面において移民同士や移民と地元住民の間に効果をもたらしているという興味深いコメントを聞き出すことができた。また、州スポーツ連盟や郡・市町村のスポーツ連盟が様々な民族に対応しながら、スポーツを通じた社会統合プログラムを実施していることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2019年3月15日から23日まで、調査対象地であるライン・ノイス郡を訪問し、スポーツ相談課長のアクセル・ベッカー氏(Axel Becker)、ヤン・カペレン体操クラブのクラウス・カルヴィス会長(Klaus Calvis)とアクセル・シュリューター副会長(Axel Schlueter)、オルケン体操クラブのハインツ・ペーター・コルテ会長(Heinz-Peter Korte)、TUSグレーベンブロイヒのフリーデル・ゴイエニヒ理事長(Friedel Geuenich)、ロートヴァイス・ギーラスクラブのサンドラ・コグリン副理事長(Sandra Koglin)、ノイス水泳クラブのギーゼラ・フーク事務局長(Gisela Hug)、SGカールストのアンドレアス・ヴァルント理事長(Andreas Warnt)そしてTSV バイヤードルマーゲンのアクセル・ベルツ事務局長(Axel Wertz)等にインタビュー調査を実施することができた。その結果、移民大国ドイツの社会統合の促進に地域スポーツクラブが大きな役割を及ぼしていることが明らかとなった。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、ライン・ノイス郡のスポーツクラブを対象にオンライン・アンケート調査(2019年8月末から9月初旬)を行う予定である。主な質問内容は、クラブの概要(設立年、会員数、、種目数等)、会員に占める移民的背景を持った人々の割合、ボランティアに従事する移民的背景を持った人々の割合、移民的背景を持った人々を受け入れるための特別なプログラム実施の有無、スポーツクラブにおける移民の当配分、会員に占める移民の割合の高いクラブと低いクラブが抱える問題、スポーツ施設の利用状況、財務状況、 諸機関との連携・協力、国際交流、スポーツ指導者と運営スタッフ(有給・無給)、 クラブの支援活動に対する満足度と重要度、今後の課題と展望、そしてフェースシート等である。

Causes of Carryover

格安航空券(日本-ドイツ間)を購入したため、次年度は論文作成のための翻訳費用に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 総合型地域スポーツクラブと情報ネットワーク支援 NPO の関係性から 形成された社会関係資本:東日本大震災の支援寄付をめぐって2018

    • Author(s)
      水上博司・黒須 充
    • Journal Title

      体育学研究

      Volume: - Pages: 1-18

    • DOI

      https://doi.org/10.5432/jjpehss.17145

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2019-12-27  

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