2018 Fiscal Year Research-status Report
ウェアラブルセンサを用いた運動時の生体・運動情報に関する研究
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17K01743
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
久保 哲也 東京都市大学, 共通教育部, 教授 (30341936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 随道 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (20557144)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウェアラブルセンサ / 剣道 / 加速度 / 心拍数 / 心電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は着衣するだけで姿勢保持、加速度などの運動情報や、心拍、心電などの生体情報のデータを取得できるウェアラブルセンサを用いて動作分析や暑熱環境下での稽古が生体に及ぼす影響を明らかにすることで、剣道におけるセンサの有効性や新たな稽古内容の開発を検討することを目的として研究を進めている。 平成30年度も引き続き、ウェアラブルセンサ「hitoe」を用いての運動・生体情報の取得を行った。 研究計画通り、運動情報の測定にはT大学体育会剣道部に所属する男子学生10名を対象に「踏み込み面」5本に加え「前進後退正面素振り」20本を対象動作とし、測定並びに分析を行い、技術面の検証を行っている。各所に技能上位群と下位群に有意な差が認めらている。 また、これらの対象動作にはセンサを胸部に付着させて測定を行っているが、これとは別に左手首付近にセンサを固定する方法により左腕の動きの測定を行った。この測定においても対象動作において技能上位群と下位群に有意な差が認められたため、まとめているところである。これらの全ての測定時には被験者の右側方よりビデオカメラによる撮影を行っている。 生体情報の測定では、暑熱環境下での通常稽古での測定ということで、センサの上から防具を付けた状態であること、また、被験者の動作が大きく移動範囲も広いこと、さらに長時間にわたるデータ通信を行っていることなどの影響から正確なデータが取得できていないという問題に直面している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生体情報の測定において、センサの上から防具を付けた状態であること、また、被験者の動作が大きく移動範囲も広いこと、さらに長時間にわたるデータ通信を行っていることなどの影響から正確なデータが取得できていないという問題が発生しており、新たな測定方法を試行錯誤していることから、研究計画よりやや遅れが出ている。 運動情報の測定においては各所に技能上位群と下位群に有意な差が認めらていることから、これらをまとめ、今秋の日本武道学会大会にて発表を行い、投稿する予定である。 生体情報の測定については、現在もデータ処理を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
実験データの処理を早急に完了させ、解析を行っていく。 29年度は被験者によっては皮膚の乾燥により心電図が正確に計測できていない場面も見受けられたことより、心電図測定用のジェルをパット面に付着させて測定した。その結果、前回よりは心拍数や心電図情報が測定できるようになったが、まだデータが正確に測定できない場面が出現しているため、その解決方法を模索し実施していく。 生体情報の測定においては、新たなウェアラブルセンサを取り入れることも検討し、直面している問題点を解決できるよう試行錯誤して研究計画通りの実験が行えるよう進めていく。 併せて29年度、30年度の実験での同一被験者による「踏み込み面」と「前進後退の正面打ち」の測定、分析を行い、3年を通じて蓄積されたデータを元に、被験者の技術的な経年変化の検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
既存のパソコンにデータの格納や分析が可能であったことから、計上したパソコンを購入しなかったため次年度使用額が生じた。今後、更に膨大なデータを蓄積していくこと、また、大容量の解析ソフトのインストールを行う必要があるため、パソコンを購入する予定である。また、スマートウォッチなどの新たなウェアラブルセンサを購入する予定である。
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