2018 Fiscal Year Research-status Report
発育期における下肢および大腰筋の発育と疾走能力の発達との関係
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17K01745
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
船津 京太郎 九州共立大学, スポーツ科学部, 教授 (10259658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 和茂 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (10615826)
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (70300473)
長谷川 伸 九州共立大学, スポーツ科学部, 教授 (70350444)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 疾走能力の発達 / 筋の発育 / 超音波法 / 筋厚 / 大腰筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、北九州市立浅川小学校に平成29年度に入学した児童を対象に縦断的に形態、下肢の筋および大腰筋の筋厚、疾走能力の測定を行い、形態と筋の発育と疾走能力の発達との関係を明らかにすることである。 平成30年度は本研究の2年目にあたる。平成30年10月16、17日の両日、北九州市立浅川小学校の児童の形態(身長、体重、大腿囲、下腿囲)、大腿前部、大腿後部、下腿後部の筋および大腰筋の筋厚を測定した。筋厚については超音波法を用いて測定した。形態(身長、体重、大腿囲、下腿囲)に関してはすべての項目で1年次(6歳)より2年次(7歳)が高い値を示した。下肢の筋厚においては1年目においては船津ら(2013)の測定値よりも若干高い値を示した(大腿前部9.1%、大腿後部5.0%、下腿後部2.6%)。また、2年目の筋厚については現在分析中である。 50m走については10m毎のスピード(走タイム)、ピッチ、ストライドを測定したが、全ての区間、全ての項目において1年目より2年目において高い値が認められた。区間記録の中でも最も良い記録は1年目、2年目ともに10-20m区間であった。50mの平均記録は9.4%の短縮が見られたが、中でも30-40mの区間記録が最も短縮率が高かった(16.3%)。ストライド(m)においても同様に30-40mの増大率が最も高いこと16.4%)、ピッチ(歩/秒)においては30-40mには経年的な変化は認められないことから、30-40m区間の記録の向上はストライドの増大によるものと推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の実施状況報告書に記載したように、当初は研究の対象としている当該校のカリキュラムおよび時間割、学校行事の都合上、二つの学年(1、4年生)を対象とするより一つの学年を対象として6年間のスパンで縦断的に測定するという結論に至った。子どもの発育を正確にとらえるには同一対象者を長期間追跡することは大変価値のあることと思われる。本研究においてはその途中であるプレゴールデンエイジの筋の発育と疾走能力の発達との関係を完結させる必要がある。2年間のデータが取得できたため、今後、学会や論文を通じて研究成果の公表に取り組んでいく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に関しては発育段階のことなる2群の児童(1、4年生)の形態、筋の発育と疾走能力の発達をを同時に観察し、併せて6年間の筋の発育と疾走能力の発達との関係を検討する予定であったが、上に述べた理由により、小学校を入学してから卒業するまでの児童を縦断的に追跡することとなった。これは当初予定していたより長い期間である。しかし、入学から卒業までの6年間の追跡をすることにより大変貴重なデータが取得できると考えている。従って本事業の支援を受ける3年間という研究スパンにおいては、児童期前半(プレゴールデンエイジ)における筋の発育を疾走能力の発達との関係を縦断的データを通じて明らかにする必要がある。プレゴールデンエイジ身長の発育加速期を迎えていない子どもがほとんどであり、体格が急激に発育を始める以前の特徴をより正確横断的データより正確に捉えることができると思われる。よって2019年度はこれまでと同様に2017年度に入学した児童(現3年生)を対象として形態、下肢筋厚、大腰筋厚および疾走能力(50mまでの10m毎の区間記録、ピッチ、ストライド)の測定を行う(今年度で3年目)。前年度の実施状況報告書に記載したように、大腰筋の測定手法の迅速化を図る必要がある。2018年度はその前年度よりもかなりの迅速化をができたが、より多くの測定を行いさらに制度を増す必要がある。今年度の測定に関しては7月に対象としている小学校と打ち合わせを行い、9~10月に測定を行う予定である。また、研究による成果を体力科学などの学会誌に投稿し公表する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた児童の被験者謝礼を支払う予定であったが、対象校との打合せにより必要がなくなったため。そのため次年度は初年度に詰責コムテック社と共同で開発したピッチ、ストライドを分析するソフトウエア(Lap Anaryzer)を改訂し、汎用性の高いものにする必要がある。
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