2019 Fiscal Year Research-status Report
発育期における下肢および大腰筋の発育と疾走能力の発達との関係
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17K01745
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
船津 京太郎 九州共立大学, スポーツ学部, 教授 (10259658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 和茂 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (10615826)
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (70300473)
長谷川 伸 九州共立大学, スポーツ科学部, 教授 (70350444)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 疾走能力の発達 / 筋の発育 / 超音波法 / 筋厚 / 大腰筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、北九州市立浅川小学校に平成29年度に入学した児童を対象に縦断的に形態、下肢の筋および大腰筋の筋厚、疾走能力の測定を行い、プレゴールデンエイジ期における形態と筋の発育と疾走能力の発達との関係を明らかにすることである。 令和元年度は本研究の3年目にあたる。令和元年10月7、9日の両日、北九州市立浅川小学校の児童の形態(身長、体重、大腿囲、下腿囲)、大腿前部、大腿後部、下腿後部の筋および大腰筋の筋厚を測定した。筋厚については超音波法を用いて測定した。形態(身長、体重、大腿囲、下腿囲)、筋厚および疾走能力の3年間のデータ(1年次~3年次)が揃った。形態に関しては身長、体重、大腿囲、下腿囲のすべてにおいて有意な年齢の主効果が認められ、加齢するにつれ高い値を示した(P<0.01)。 筋厚においては、大腿前部、大腿後部、下腿後部、大腰筋の全てにおいて有意な年齢の主効果が認められ、加齢するにつれ高い値を示した(P<0.01)。また、筋厚の身長に対する相対値においては大腿後部、下腿後部、大腰筋においては有意な年齢の主効果が認められそれぞれ7歳の時(2年次)に最も高い値を示した。大腿前部には有意な年齢の主効果は認められなかった。 50m走における疾走能力では平均ストライド(m)と平均スピード(m/s)には有意な年齢の主効果が認められた(P<0.01)。平均ピッチ(step/s)においては有意な年齢の主効果は認められず、加齢による疾走スピードの向上は身長の増大によるストライドの増大によるものと推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は小学校においては1、4年生を同時に縦断的に3年間追跡するとしていたが、当該校のカリキュラムおよび時間割、学校行事の都合上、二つの学年を対象とするより一つの学年を対象として6年間のスパンで縦断的に測定するという結論に至った。子どもの発育を正確にとらえるには同一対象者を長期間追跡することは大変価値のあることと思われる。本研究においてはその途中であるプレゴールデンエイジの筋の発育と疾走能力の発達との関係を完結させる必要がある。ここまで3年間のデータが取得できたため、プレゴールデンエイジ期という節目の期間の縦断的なデータが揃ったことは有意義である。本来であれば、学会や論文を通じて研究成果の公表に取り組んでいく予定であったが、公務との関連でそれらの取り組みに遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の推進方策は以下の通りである。 ①3年間の計測で得られた形態、筋厚、疾走能力の縦断的なデータに対し、年齢(学年)を要因とする分散分析(一元配置法)を行い、その経年的変化(発育)の特徴を明らかにする。
②形態および筋厚と疾走能力(ピッチ、ストライド、スピード)との関係を各年齢(学年次)毎に相関-回帰分析を行い、形態および筋量と疾走能力との関係が経年的にどう変化するのかを検討する。
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Causes of Carryover |
研究代表者が複数の役職(教務部長、学部長等)に就いたため研究に費やすエフォートが減少したため。
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