2019 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ障害の動作解析とスポーツ履歴調査による発症因子の解明と予防・治療への試み
Project/Area Number |
17K01750
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小原 和宏 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40548749)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 動作解析 / スポーツ障害 / 膝蓋腱炎 / スポーツ科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツ障害の一つである膝蓋腱炎は一般的に体重・性別・床の材質・スポーツ暴露時間などが発症に至る危険因子とされている.しかし同様の条件の選手が全員発症に至るわけではない.我々は膝蓋腱内側に圧痛のある選手を動力学的に解析することにより,膝関節内反モーメントが膝蓋腱内側へ偏った張力を生じさせ 炎症を引き起こすというメカニズムを考えた.しかし,症例に出会うことが出来ずデータを取得出来ていない膝蓋腱の中間・外側に発症した膝蓋腱炎に関しては 動力学的な特徴を捉えることは出来ていなかった.そこで,症例数を増やし膝蓋腱炎の発症部位と動力学的関係.並びにスポーツ履歴調査から膝蓋腱炎発症に至 る因子を解明するのが,本研究の目的である。 初年度は主にスパイカーに対して、スパイク時の踏切を解析した。膝蓋腱内側に発症する膝蓋腱炎の場合、ほぼ全例において、床反力ベクトルが膝関節の外側を通過していた。これにより膝関節に内反モーメントが発生したと考えた。2年目では、セッターのジャンプトス時の踏切を解析したが、患側では同様の状況が観察された。 昨年度は被検者数を大きく増やすことはできなかったが、膝蓋腱炎群の患側膝では同様の状況が更に観察された。現在、我々は、床反力ベクトルが膝関節の外側を通過する状況が、膝蓋腱の内側に発症する膝蓋腱炎の大きな原因の一つと考えている。そこで、この様は膝関節と床反力ベクトルの位置関係が、床反力ベクトルの方向が変化して生じたのか、膝関節の位置が変化して生じた結果なのかを解明したいと考えている。スポーツ履歴調査においてはまだ被検者数が多くはなく,また,一つのスポーツ団体から10名程度のデータをとることもあるため,データ が偏っている可能性がある。被検者数を可及的に増やし慎重にデータを整理していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
三次元動作解析装置の不具合があった。新たな機器は高額であり、新たに購入しているが、高額であるため数年かけて導入予定である。現在のシステムで少しずつスポーツ動作に対応できるようになってきているがまだ非力である。トップアスリートの中学・高校における学生スポーツのシーズンオフは1月からである。この時期にデータを収集する予定であったが、新型コロナウィルスの影響で、データ取得がかなわなかったのも一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
三次元動作解析装置のカメラが増えスポーツの速い動作に対応が可能になる予定である。被検者数を増やす必要があるが、新型コロナウィルスの影響を考慮する必要がある。本研究の主な被検者は、中学・高校・大学の学生スポーツである。被検者の所属する教育機関、並びに、三次元動作解析装置が設置されている施設の新型コロナウィルスへの対応を十分に加味しながらデータを取得する必要がある。このような状況下により、被検者数を大きく増やすことが困難となった場合は、今まで取得することができたデータから、解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
三次元動作解析装置の複数年度の入れ替え作業中である。また、年度末の新型コロナウィルス流行の影響があり被検者のデータ取得が困難となったため。
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Research Products
(1 results)