2017 Fiscal Year Research-status Report
呼吸筋トレーニングの奏功メカニズムの解明と高所トレーニングへの応用
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17K01759
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
小川 剛司 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (70451698)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 呼吸筋 / トレーニング / 低酸素 / 換気 / 運動 / 有酸素能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
安静時呼吸に対して抵抗負荷(呼吸しづらい状況を作る)を与えることによって呼吸筋を鍛錬する、呼吸筋トレーニングは、呼吸筋力の向上によって、運動時の呼吸筋疲労が改善することが報告されているが、呼吸筋トレーニングの運動能力向上に対する有効性については結果が一致しておらず、呼吸筋トレーニングの奏功メカニズムについてはほとんど明らかでない。また、呼吸筋トレーニングの手法は十分に確立していない。 平成29年度は、新たな呼吸筋トレーニングの奏功メカニズムを検討することを目的として、呼吸筋陰圧負荷しながらの運動時の呼吸筋活動および呼吸循環応答を検討した。具体的には60%VO2max強度運動時に吸気時に抵抗負荷をかける呼吸トレーニングを模した運動を行った。運動開始6分間は吸気に対して無負荷で、その後30%最大吸気圧の吸気陰圧負荷となるように吸気側パイプの内径をバルブで調節した。この時、ガス分析よりVO2、換気量を測定した。また、呼吸筋の仕事量(WOB)として算出した。同時に、循環応答として、インピーダンス法により心拍出量を調べた。 その結果、吸気負荷によって換気量は低下するものの呼吸筋活動が増加した。また、呼吸困難感が大きく増加した。心拍数が増加したものの心拍出量に変化は見られなかった。これらの結果から運動中に吸気負荷を行うことで呼吸筋および循環応答に負荷が増大し、呼吸筋とそれに関連する呼吸循環応答がトレーニングできる可能性示唆された。本研究の結果によって呼吸筋トレーニングの新たな手法として応用可能な運動を確立できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年の実験の遂行により、30年度以降に行う呼吸筋トレーニングの雛形が完成するなど、順調に進捗している。本研究結果は30年度に学会発表を予定してる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の成果を以て、実際のトレーニング研究を実施する。順調に研究が推進されていることから、当初の計画の通り、平成30年度では呼吸筋を鍛錬することで、高所トレーニングにおいて有酸素能力低下を抑えられるか、高山病リスクが軽減されるかについて検討する。すでに申請者は予備実験を行っており、運動時の換気応答が呼吸筋トレーニングによって変化する傾向を得ている。本実験では多くに被験者を対象に実験を行っていく。本研究課題は呼吸筋トレーニングを高所トレーニングの成功率を高めるために用いようとする極めて先進的な研究であり、新しい高所トレーニング法の開発などに応用できる示唆が得られる。
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Research Products
(1 results)