2017 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms underlying decreases in systolic blood pressure during resistance exercise with aerobic exercise training
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17K01763
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
大槻 毅 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20375372)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 一酸化窒素 / NO / 動脈スティフネス / 窒素酸化物 / NOx / 脈波伝播速度 / PWV / 中高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,(課題1)「有酸素性トレーニングによる血管内皮細胞の一酸化窒素(Nitric oxide, NO)産生亢進が低強度抵抗性運動時の血圧上昇を抑制する」という仮説を検証すること,(課題2)後期高齢者においても有酸素性トレーニングにより低強度抵抗性運動時の血圧が低下するか否かを明らかにすること,(課題3)高血圧者においても有酸素性トレーニングで低強度抵抗性運動時の血圧が低下するか否かを明らかにすること,である.
平成29年度は,(課題1)として,ウォーキング教室(65~75%最大心拍数,1回30~60分,週3~5回)を実施し,後期高齢者および高血圧者を含む地域在住の中高齢者を対象に介入研究を実施した(トレーニング群).これと同時に,トレーニングを行わずに測定だけを行う研究参加者を募集し,トレーニング群との比較対象とした(コントロール群).その結果,①先行研究(Otsuki et al., Am J Physiol Heart Circ Physiol 2016)と同様に,トレーニング群では低強度抵抗性運動時(アームカール,最大挙上重量の20および40%,各強度で10回×2セット)の収縮期血圧は低下した.また,②トレーニング群では,NOの最終代謝産物である窒素酸化物(nitrite/nitrate, NOx)の血漿濃度は上昇し,動脈スティフネスの指標である動脈脈波伝播速度(Pulse wave velocity, PWV)は低下した.③これらの指標間(運動時血圧,血漿NOx濃度,PWV)に相関関係が認められた.これらの結果から,有酸素性トレーニングによる血管内皮細胞のNO産生亢進が低強度抵抗性運動時の血圧上昇を抑制すると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに介入研究を実施することができた.得られた結果も,仮説と概ね一致している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究において,有酸素性トレーニングによる血管内皮細胞のNO産生亢進が低強度抵抗性運動時の血圧上昇を抑制することを示唆する結果が得られた.平成30年度は,トレーニングによるNO産生亢進のメカニズムを明らかにし,NO産生亢進と運動時血圧低下との因果関係をより明確にするために,平成29年度に取得した血液検体において,NO産生の調節因子であるアドロピンの測定を行う.また,平成29 年度と同じ実験を行い,対象者数を増加させて,対象者を年代(~64 歳,65~74 歳,75 歳~)または高血圧症の有無(正常血圧者,未治療高血圧者,降圧剤服用者)で群分けし,各群におけるトレーニング効果の検証およびトレーニング効果の群間比較を行う.
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Research Products
(4 results)