2018 Fiscal Year Research-status Report
身体運動は肥満により肥大化した白色脂肪細胞のベージュ脂肪細胞化を促すか
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17K01764
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小笠原 準悦 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20415110)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ベージュ脂肪細胞 / 褐色脂肪組織 / 走運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
褐色脂肪細胞は熱産生を介してエネルギーを消費する特徴を有することから,抗肥満療法への応用が期待されて以来,さまざまな視点から褐色脂肪細胞の形成について検討されている.中でもベージュ細胞は,白色脂肪細胞からリバーシブルに形成されることが断定されたことにより,その形成促進作用について多くの知見が報告されている.
本研究を行う上で,比較対象としてクラシカル褐色脂肪組織へ及ぼす身体運動の効果も検討する必要があると考え,ラットに一過性の走運動を施し肩甲部に発現するクラシカル褐色脂肪組織について検討したところ,褐色脂肪細胞化シグナルは変化しないことが明らかとなった.そこで,継続的な走運動トレーニングによる肩甲部骨格筋の褐色脂肪細胞化について検討したところ,走運動トレーニングにより肩甲部の褐色脂肪組織量は有意に減少することを観察し,この状況下では,褐色脂肪組織と結合している肩甲部骨格筋のPRDM16/PPARgやPRDM16/EHMT1などの複合体の発現が有意に低下し,前者の結合を阻害するTLE3の発現は有意に増加することなどを観察している.さらに,鼠径部の白色脂肪細胞において,高脂肪食摂取群の白色脂肪細胞では,走運動トレーニングによるベージュ脂肪細胞化率が通常食摂取群と比べて低くなることを観察している一方で,走運動トレーニングの有無で比較すると,やはり高脂肪食摂取群でも走運動トレーニング群ではベージュ脂肪細胞の形成が促されることを見出している.
最終年度は,検討してきたクラシカル褐色脂肪組織の変化も一軸として見据えながら,高脂肪食摂取群の白色脂肪細胞のベージュ脂肪細胞化に及ぼす走運動の効果について,DNAアレイ解析とパスウェイ解析のデータから調節分子群とそのシグナル伝達に着眼して検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関与する因子群が予想よりも多かったため,ターゲット因子の同定に時間がかかっている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度はパスウェイ解析の結果も加味して,シグナル伝達経路も含めてた検討を計画している.
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Research Products
(15 results)