2017 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭の専門職としての成長プロセスの実証的研究と成長促進研修プログラムの開発
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17K01782
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
荒川 雅子 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (60734928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
竹鼻 ゆかり 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30296545)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 養護教諭 / 成長プロセス / 養成段階 / 各キャリア段階 |
Outline of Annual Research Achievements |
養護教諭の専門職としての成長プロセスを明らかにするために、まず、<養成段階>における養護教諭(を目指す学生)の成長プロセスに注目し、本研究の事前準備として、国立大学の養護教諭養成課程に在籍し卒業後養護教諭として勤務する予定の、大学4年生17名を対象としたインタビュー調査を平成29年2月~3月に実施した。 実施した調査結果について、平成29年5月よりM‐GTAの手法を用いて分析した。 分析の結果、入学前は、【支援を受ける側の視点】しか持っていない学生が、[授業・カリキュラムからの学修]において、知識・技術の獲得に加え、それらを教授する人の、人となりや価値観などを感じ取ったり、「授業以外からの経験]において、他学科の学生などの、他の人々との関わり等に影響を受けたりするといった、【大学在学中の学び】を通して、養護教諭の【実践者としての視点】を獲得していくプロセスが明らかになった。そのため、養成段階のカリキュラムにおいては、知識・技術の伝達だけでなく、様々な人とのかかわりを意識した教育内容が必要と思われ、卒業前に感じる一人職への重責や不安感について、養成段階で軽減できるような手立ても必要であることが明らかになった。これらの分析結果は、平成30年3月に開催された、日本健康相談活動学会にて発表した。 また、養護教諭自身が自らのキャリアデザインに応じて資質能力を発展・拡大させていくために必要な、研修プログラムを開発するにあたり、各キャリア段階に属している養護教諭の、成長プロセスの詳細を明らかにする必要がある。そのため、平成29年8月に養護教諭としての経験年数10年以上20年未満の養護教諭7名に対して、インタビュー調査を行った。インタビューの音声データは、文字データに変換し、現在M-GTAの手法を用いて分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、平成29年度に、各キャリアステージの養護教諭の調査・分析を終え、養護教諭の専門職としての成長プロセスの概念モデル生成まで行う予定だったが、経験年数10年以上20年未満の養護教諭の調査協力者が十分な数に達しておらず、分析を進めることができていない。 そのため、次年度新たに調査協力者を募り、今年度までの調査結果と合わせて分析を進める予定である。 また、各キャリアステージの養護教諭の調査が終わっていないため、成長プロセスの概念モデルの生成も、進めることができていない。インタビュー調査が終わり次第分析を進め、概念モデルの生成も行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、経験年数10年以上20年未満の養護教諭の調査協力者を募り、今年度までの調査結果と合わせて分析を進める予定である。 また、その分析終了後、速やかに「成長プロセス評価のための尺度開発および成長を阻害・促進する要因の探索」を行うため、養護教諭の成長プロセスの評価尺度の開発を行い、作成した評価尺度を用いた要因探索研究を行う予定である。 作成した尺度項目の妥当性の確認するため、質問紙調査による予備調査を実施したうえ、関東地方の、公立小学校・中学校・高等学校勤務の養護教諭を対象に、質問紙調査を実施する予定である。予備調査は平成30年10月、本調査は平成30年12月~平成31年2月を予定している。 調査対象者数は1500校を関東地区の学校一覧よりランダムに選定して調査票を発送し、調査結果については平成31年3月~6月にかけて探索因子分析を行う予定である。 この分析結果を受け、養護教諭の成長プロセスに影響する要因を改善・促進するための研修プログラムの開発と評価を平成31年に実施する。プログラムの開発は、平成31年6月~8月に行い、同年8月にプログラムを実施予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に調査を行った、経験年数10年以上20年未満の養護教諭へのインタビュー調査の協力者が予定より少なく、その結果、インタビューデータを文字に起こすためのテープ起こし代が、予定より少なくなったため、平成29年度の支出が予定より少なくなった。 また、インタビューデータを文字に起こすために、人件費を使用する予定であったが、業者に委託することで、人件費がかからなかった。 平成30年度は、経験年数10年以上20年未満の養護教諭へのインタビュー調査を再度協力者を募り実施する予定である。そのため、そのインタビューデータを文字に起こすためのテープ起こし代が、平成30年度の使用計画に追加される予定である。 また平成30年度は、質問紙調査を実施する予定である。そのため、質問紙調査用紙の印刷代、用紙代、並びに発送、返送代等を予定している。また、人件費を使用し、質問紙調査の結果入力を行う予定である。
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Research Products
(1 results)