2020 Fiscal Year Research-status Report
大学生の座位行動の年次変化と介入プログラムの効果検証
Project/Area Number |
17K01784
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
原 丈貴 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40420723)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 座位時間 / 身体活動量 / スタンディングデスク |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画ではR1年度において,学生が所属する研究室で使用する学習デスクを,スタンディングデスクに変更し,学習環境の変化によって座位時間や日中の心拍変動,消費エネルギー量にどのような影響がみられるのか検討する予定であった.しかし,R1年度には充分なデータを収集できなかったことから,研究期間を1年間延長してR2年度に研究をまとめることとしていたところ,R2年度は新型コロナウィルス感染症の影響により,学生を対象とした本研究を進展させることが困難な状況になり,研究期間をさらに1年間延長することになった. 学生を対象とした研究データの収集を進めることができなかったため,これまで採取したデータを活用して,大学1年生および4年生それぞれの座位時間に影響する要因について詳細な検討を行うこととした.身体活動量を計測した1週間の生活状況アンケートの結果をもとに,座位時間の決定要因について一般線形モデルを用いて重回帰分析を行ったところ,1年生では,アルバイトへの出勤の有無および学内でのエレベーターの使用頻度が,平日の座位時間に対する有意な説明変数であることが示された.即ち,1年生では学業以外の時間の使い方が座位時間に関係しており,また,エレベーターの利用頻度そのものではなく,エレベーターの利用を選択する態度が生活全体の座位時間に影響していると考えられる.一方4年生については,いずれのアンケート項目も座位時間と有意な関係性はみられなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画を遂行するための研究備品は既に揃っているものの,当初の計画において最終年度(R1年度)に実施を予定した研究が,職場業務の多忙により遅延したことから,1年間の研究期間の延長を申請した.しかし,R2年度は新型コロナウィルス感染症の拡大により,学生の学内での活動が制限されるようになり,学生を対象とした本研究課題を進めることが困難であった.そのため,現時点においては成果をまとめるにあたって充分なデータ数が揃っている状態ではないことから,最終年度をさらにもう1年延長して研究を進めていくこととした.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,日常の学習にスタンディングデスクを使用することから,日中の座位時間が短くなること,心拍数が高い水準で推移することは容易に推測できる.座位時間の長さは仕事の充実感や生産性にも影響していることが報告されていることから,本研究ではスタンディングデスクの使用による座位時間短縮の影響が,日常の身体感覚,精神的感覚にどのような効果を及ぼすのかについてもあわせて検証を進めていきたいと考えている.しかしながら,現状では収集したデータ数が少ないため,当初の研究計画通りに研究を進められるよう,先ずはスタンディングデスクの影響を検証するためのデータ収集を進め,今年度中には研究成果をまとめる予定である. また,初年次および2年目に実施した研究内容については,当初予定していた分のデータ数は確保できたものの,さらに詳細な分析を進めていくには,もう少しデータ数の上積みが必要であるため,並行して引き続き測定を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により,当初の計画に沿った研究を進めることが困難であったため,研究期間の再延長を申請し,R3年度に研究をまとめることとした.
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