2018 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者における咳嗽力低下の要因解明と効果的な咳嗽力予防プログラムの構築
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17K01792
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
金子 秀雄 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (20433617)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 咳嗽 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域在住高齢者における咳嗽力の向上に効果的な介入方法を検討するために、吸気筋トレーニングおよび最大呼出練習の咳嗽力への効果を検証した。歩行が自立した地域在住高齢者60名を対象とし、吸気筋トレーニングを行う群20名、最大呼出練習を行う群20名、何を行わない対照群20名に無作為に割り付けた。吸気筋トレーニングは、最大吸気圧の50%に設定した吸気筋トレーニング機器を用いて吸気努力を行わせた。最大呼出練習では、ピークフローメータを用いて設定した目標値を超えられるように最大呼出を行わせた。ともに1日25回、週5回以上、4週間行うように指導した。介入前後には、咳嗽力の指標となる咳嗽時最大呼気流量、呼吸機能として努力性肺活量、最大吸気圧および最大呼気圧、運動機能としてTimed Up and Go testの所要時間と30秒立ち上がりテストの起立回数を測定した。介入後の測定および指導内容を遂行できた対象者を分析対象とし、介入前後および3群間の比較を行った。分析対象となった対象者数は、吸気筋トレーニングを行った群が12名、最大呼出練習を行った群が15名、対照群が17名であった。介入後、咳嗽力の向上が認められた群は、最大呼出練習を行った群であった。吸気筋トレーニングを行った群は最大吸気圧の有意な増加を示したが、咳嗽力の向上は認められなかった。3群間の咳嗽力変化量に有意差はなかった。地域在住高齢者の咳嗽力向上には最大呼出練習が有効である可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種類の介入および比較対照となる被験者を確保し、咳嗽力向上を目的とした介入を実施することができた。非監視下での介入ではあったが、対象者の6割以上が指導内容を実施し、効果検証を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
分析対象となった被験者における長期効果の検証を行う予定である。介入から1年後の再測定を実施する。再測定にあたって被験者が参加しやすい日時を設定し、事前に連絡をすることで、被験者の再測定への参加を促していく。再測定が行えなかった被験者数が少なくないと判断できる場合があれば、被験者の参加拒否の意思表示がないことを確認し、日時を再度設定し再測定を実施する。
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Causes of Carryover |
介入に必要な器具がより安価に購入できたことで次年度使用額が生じた。次年度は1年後の再測定に必要な人件費、謝礼品および消耗品の購入費用、成果発表の費用として利用する予定である。
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Research Products
(8 results)