2019 Fiscal Year Research-status Report
短時間の運動介入が子どもの骨量、及び運動意欲、身体活動量に及ぼす効果の検証
Project/Area Number |
17K01794
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山北 満哉 北里大学, 一般教育部, 准教授 (40582143)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 運動遊び / 身体活動 / 子ども / 非認知能力 / 学校単位 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学校を単位としたクラスターランダム化比較試験により、短時間かつ誰もが簡単に実施できる運動遊び介入が骨量増大、及び運動意欲の向上や身体活動量の増加に寄与するかを明らかにするとともに、運動意欲の向上や運動習慣の形成にどのような社会環境要因(家庭環境、学校環境、近隣環境等)が関連するかを明らかにすることを目的としている。
2019年度は、当初の計画通りクラスターランダム化比較試験を実施し、完了した。 その結果、骨量の変化については、介入前後の比較では男女ともに有意な増加を示したが、介入群と対照群の間に有意な差はみられず、本研究で実施したプログラムの骨量増大効果は確認されなかった。また、副次的アウトカムとして検討したメンタルヘルスの変化については、対照群(12.9%)と比較して介入群(6.2%)で介入終了後に抑うつ症状を示す割合が有意に少なかったものの、関連要因を考慮したところ有意な関連は消失した。さらに、サブグループ解析として運動の好嫌度別に検討を行った。運動にネガティブな意識をもっていたグループにおいてのみ、対照群(35%)と介入群(11%)に介入終了後の抑うつ症状の割合に有意な違いがみられ、運動に無関心な子どもに対して本プラグラムが効果的である可能性が示されたが、関連要因を考慮した解析ではその統計的有意差は消失した。 また、生涯にわたる運動習慣形成に関連する要因を把握するため、当初の計画に追加して子どもの頃の社会経済状況と高齢期のスポーツグループの参加の関連を検討し、子どもの頃の社会経済状況が悪いと高齢期のスポーツ参加が少ないことを示した。 今後は、本研究で実施した短時間かつ簡便な運動遊びプログラムの効果について、客観的に測定した身体活動量の情報を整理し、身体活動量及び座位時間に対する効果の検証を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画通り学校を対象とした介入研究を実施できたが、評価した客観的な身体活動量の詳細な解析、および子どもへの結果の返却が遅れているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
客観的な身体活動量の評価、および子どもへの結果の返却について、早急に実施できるよう努めるとともに、学会発表や論文発表等により、研究成果の公表を実施する。
|
Research Products
(2 results)