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2017 Fiscal Year Research-status Report

家族単位を基盤とした最重度身体障がい者の運動介入モデル化と国際的アプローチ

Research Project

Project/Area Number 17K01802
Research InstitutionTokoha University

Principal Investigator

鈴木 伸治  常葉大学, 保健医療学部, 教授 (50393153)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 寺田 恭子  名古屋短期大学, その他部局等, 教授 (20236996)
里中 綾子  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 特任助教 (80632497)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords重症心身障害児者 / 介護者 / 在宅 / リハビリテーション / 身体活動 / 体力 / 健康
Outline of Annual Research Achievements

本年度は主に在宅で生活する最重度身体障がい者の車いすダンスを介した身体活動の機会の有無について調査した.
国内では伊豆医療福祉センター(重症心身障害児者施設)のポレポレとコスモスという2つの通所部門職員に対する聞き取り調査を行った.ポレポレは保育年齢の母子が対象であり,1日の受け入れ能力は10組であったが体調不良により欠席が多いため,実際の利用者は1日3組程度とのことであった.一方,コスモスは18歳以上の人達を対象としており,親の付き添いはなく,利用者の体調は安定しており,1日の利用者は約20名とのことであった.設備的にも車いすダンスができるスペースが存在していた.作成した車いすダンス教則DVDを1枚進呈し利用者の親子に視聴を依頼した.後日,2度目の聞き取り調査を行った.車いすダンス教則DVDについては,ポレポレでは「DVDに登場する車いすダンサーの障害程度が自分たちよりも軽すぎて,参考にならない」.一方コスモスでは親が送迎の間に落ち着いてDVDを視聴することはほとんどなく,内容が「硬すぎる」「もっと楽しめるような内容が良い」といった反応が得られた.
国外ではタイにおける車いすダンスキャンプと追跡調査を行った.2017年9月25~26日,バンコクにおいて車いすダンスキャンプを行った.14組の親子が参加した.2018年2月19日,車いすダンスキャンプに参加した親子14組を現地に集め,アンケート調査を実施した.アンケートは12組から回収できた.6組は車いすダンスキャンプ後にも何らかの形で継続していることがわかった.アンケート後,車いすダンス講習会をおこなったが,車いすダンスのスタイルや選曲を自分達でアレンジしたものを見せてくれた.これは一度施設で車いすダンス講習会をやった後は講師が再度訪問するまでほとんど車いすダンスが行わていないのが普通である国内の状況と明らかに異なっていた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は在宅で生活する最重度身体障がい者とその主たる介護者である家族が車いすダンスを介して定期的な身体活動を行うことによって共に体力を向上させる介入モデルを開発するための基礎となるきわめて有意義な情報を収集できたため.

Strategy for Future Research Activity

国内では国外(タイ)に比べ社会的資源が充実しており,最重度身体障がい者の多くが何らかの通所施設を利用していることが明らかである.しかし,親子で一緒に車いすダンスを介した身体活動はほとんど行われておらず,最重度身体障がい者が日中通所施設で過ごしている間,主たる介護者である家族が日中どのような身体活動を行っているのかを明らかにする必要がある.そこで次年度は,例えば,働いているのか,エクササイズをしているのかといった具体的な状況を把握していくこととした.そして,主たる介護者である家族の体力がどのような状況なのかについても把握していくこととした.そのため,伊豆医療福祉センターの協力を得て,外来に通院する最重度身体障がい者に付き添ってくる家族を対象に聞き取り調査と簡単な体力テストを実施することとした.今後,最重度身体障がい者および家族の関心を高めるために,楽しめる要素を取り入れた車いすダンス普及用DVDを新たに作り直し,在宅で生活する最重度身体障がい者とその家族に視聴してもらい,講習会の開催に漕ぎつけたい.その講習会をテコとして日常生活で定期的に身体活動を家族で継続することが可能かどうかを検証していくこととした.国外,特にタイでは地域リハビリテーションの考え方が根付いており,一回の車いすダンス講習会によって車いすダンスが普及しやすい環境にあると考えられる.しかし,貧しい住環境や通所施設へのアクセスが車いすダンスの普及を妨げていると思われるケースを除けば,定期的な講習会を開催することで車いすダンスを介した身体活動の普及が進むと思われる.そこで,次年度はタイ以外の他のアジア諸国における状況についても調査することとした.

Causes of Carryover

当初計画していた旅費および人件費・謝金における支出が下回ったため.残金は次年度に繰り越し,旅費,人件費・謝金に支出いたしますのでお認めくださるようお願い申し上げます.

  • Research Products

    (5 results)

All 2018 2017

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 4 results,  Open Access: 3 results)

  • [Journal Article] Aerobic fitness and lifestyle with non-exercise physical activity in adults with cerebral palsy2018

    • Author(s)
      Satonaka A, Suzuki N
    • Journal Title

      Journal of Physical Fitness and Sports Medicine

      Volume: 7 Pages: 1-7

    • DOI

      https://doi.org/10.7600/jpfsm.7.1

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 重度脳性麻痺者のエアロビックフィットネス―組織的介入から家族を単位とした社会的介入へ2018

    • Author(s)
      鈴木伸治,里中綾子,寺田恭子
    • Journal Title

      常葉大学保健医療学部紀要

      Volume: 9 Pages: 1-8

    • DOI

      http://id.nii.ac.jp/1412/00001518/

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 国際交流―カリフォルニア州立大学チコ校訪問2018

    • Author(s)
      鈴木伸治,里中綾子,寺田泰人,寺田恭子
    • Journal Title

      常葉大学保健医療学部紀要

      Volume: 9 Pages: 31-35

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 重度身体障がい児・者に対する身体活動の支援―医療型障がい児・者入所施設での車いすダンス体験後のアンケート調査より2018

    • Author(s)
      寺田泰人,佐々木直美,寺田恭子,里中綾子,鈴木伸治
    • Journal Title

      人文科学論集

      Volume: 97 Pages: 108-112

    • Open Access
  • [Journal Article] Training effects of wheelchair dance on aerobic fitness in bedridden individuals with severe athetospastic cerebral palsy rated to GMFCS l;evel V2017

    • Author(s)
      Terada K, Satonaka A, Terada Y, Suzuki N
    • Journal Title

      European Journal of Physical and Rehabilitation Medicine

      Volume: 53 Pages: 744-750

    • DOI

      10.23736/S1973-9087.17.04486-0

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2018-12-17  

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