2019 Fiscal Year Research-status Report
家族単位を基盤とした最重度身体障がい者の運動介入モデル化と国際的アプローチ
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17K01802
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
鈴木 伸治 常葉大学, 保健医療学部, 教授 (50393153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 恭子 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (20236996)
里中 綾子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 特任准教授 (80632497)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳性麻痺 / 車いすダンス / 介護 / 体力 / 握力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度,家庭における重度脳性麻痺者の主たる介護者である女性70名の握力を調査し,日本人の基準値の年齢に伴う減少程度が鈍いことが示唆された.また主たる介護者の握力は50歳未満と50歳以上ではそれぞれ28.5±3.6kg,26.8±3.1kgであり差はなかったことから2019年度は対照群として21歳7か月~70歳3か月(平均48.3±11.8歳)の女性32名の握力を調査した.対照群の握力は50歳未満と50歳以上でそれぞれ29.4±5.3kg,28.3±3.8kgであり,差はなかった.また50歳以上の介護者と対照群の握力にも差はなかった.対照群の属性ではほとんどが職業を有していることや,対照群における65歳以上のサンプル数が少ないことが影響しているかもしれない.あるいは日本人の基準値が現代の日本人の握力と比較する上であまり適当ではないのかもしれない. いずれにしても横断的調査であるため,縦断的調査として介護者の握力の追跡調査を開始した.また介護が腰痛等に及ぼす影響も考えられるため,追跡調査時に腰痛についての聞き取り調査および直接検診を既に開始した. 2017年度に不評だった車いすダンスのDVDを新たに作成し,伊豆医療福祉センターの通所部門で視聴して頂いたところ「楽しめる」「良く理解できる」などの良好な反応が得られた. 2018年2月19日にタイで行った車いすダンス講習会のYouTube映像を名古屋大学医学部のアジア地域からの外国人留学生10名に視聴してもらいディスカッション後アンケート調査を実施した.重度脳性麻痺者に対する車いすダンスなどの運動を行う意義が高く評価された一方,社会資源の充実や有効活用が必要であるという認識で一致した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
対照群の握力調査を行い,家庭における重度脳性麻痺者の主たる介護者の握力と比較することができた.また,主たる介護者のフォローアップも既に開始し,現時点で49名の握力の再測定と腰痛についての直接検診を実施している.さらに,通所施設で不評をかった車いすダンスのDVDあらたに作成したところ良好な評価が得られた.そして,名古屋大学医学部のアジア地域からの外国人留学生と有意義なディスカッションができた.以上述べたように,副産物的研究成果を含め予定された研究のほとんどが順調に進んだと考えられるため.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は最終年度であり,主たる介護者の追跡調査を終える予定である.研究代表者として鈴木伸治が得た医学的知見,共同研究者の寺田恭子教授が車いすダンス講習会から得た知見,同じく共同研究者である里中綾子准教授が国際的教育活動から得た知見を各自が持ちより,ディスカッションし,家族単位を基盤としたわが国とアジア地域における運動介入モデルの形を考察する.4年間の研究成果の締めくくりとして令和2年度の第75回日本体力医学会大会で一般演題として発表する予定である.
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Causes of Carryover |
当初計画していた旅費および人件費・謝金における支出が下回ったため,残金は次年度に繰り越し,旅費および人件費・謝金に支出致しますのでのお認めくださるようお願い申し上げます.
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