2018 Fiscal Year Research-status Report
Effect of smoking on alveolar macrophage and pathogenesis of allergy
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17K01807
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
竹内 実 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (70257773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 受動喫煙 / 肺胞マクロファージ / アレルギー / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
受動喫煙(CS)による肺の免疫で重要な役割をしている肺胞マクロファージ(AM)とアレルギー発症の関係について、日本スギ花粉(CJp)を気管支内投与し、CJpによる免疫応答の分子機構に対するCSの影響について検討した。マウスにCJp 500 μg投与後、気管支肺胞洗浄(BAL)を行い、BAL細胞を回収した。CJp気管支内投与によりBAL細胞の好中球数の有意な増加が認められ、肺にNeuが誘導されることが示された。CJp気管支内投与によるBAL細胞のIL-4 mRNA発現は、CSにより有意に増加した。また、CJp気管支内投与によるAMの細胞内のIL-4発現は、CSにより有意に増加した。次に、IL-4産生の機構に関わる因子であるIL-12とTGF-β mRNA発現について検討したところ、CSによりAMのIL-12発現は抑制され、TGF-β発現は増強された。CJpによるAMへのCSの影響が認められた結果から、Tリンパ球について検討した。T細胞は産生するサイトカインからヘルパーT細胞Ⅰ型(Th1)とヘルパーT細胞Ⅱ型(Th2)に分けられ、Th2はアレルギー発症に関与する。Th2の誘導に関わるIL-4 mRNA発現は、CSにより増強され、CSがTh2を誘導することが示された。AMとT Lymへの影響が認められたため、AMとT Lymの相互関係へのCSの影響について検討した。CS曝露したAMはT LymのIL-4 mRNA発現を増強した。この結果から、AMがTh2分化を誘導していることが示され、その誘導には、AMのIL-4、TGF-βの発現増強と、IL-12の発現抑制を介してTh2分化を誘導していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験に使用するタバコ煙の濃度が均一で一定に喫煙出来ている。また、喫煙後にアレルゲンであるスギ花粉も一定の濃度で気管支内に投与出来ており、実験は順調に進んでいる。その後、肺胞マクロファージの採取も出来ており、アレルゲンのスギ花粉に対するサイトカインの発現の検出も出来ている。また、これらに対する喫煙の影響も確認されいる。さらに、リンパ球であるT細胞のアレルギー発症に関連するサイトカインの発現についても検出来ている。T細胞のⅠ型とⅡ型についても分類してサイトカインの検出が行われ、喫煙による影響が確認出来ているため、おおむね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスへの受動喫煙とスギ花粉の気管支内噴霧が正確に行われていることが確認でき、スギ花粉による肺胞マクロファージのサイトカイン産生と遺伝子発現が認められ、その産生と発現に喫煙が影響している結果が得られた。また、T細胞のアレルギー発症と関連するサイトカインの発現に対する喫煙の影響が確認され、肺胞マクロファージとT細胞の関連に対する喫煙の影響も確認された。これらの結果から、その次のアレルギー発症に関連する免疫応答について研究する。今後の研究の推進方策としては、スギ花粉噴霧刺激後の肺胞マクロファージとT細胞のヘルパーT細胞のアレルギー関連サイトカインの転写因子への喫煙の影響について、検討を加える予定である。また、スギ花粉気管支内噴霧投与により、好中球が誘導されていることから、アレルギー発症に対して好中球の関与についても検討し、免疫病理学的な研究推進方策として、肺組織の病理所見についても検討する予定である。
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Research Products
(9 results)