2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of education support system for community empowerment strengthening for residents in depopulated areas.
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17K01811
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
松本 泉美 畿央大学, 健康科学部, 教授 (00462028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 久美子 羽衣国際大学, 人間生活学部, 教授 (00587933)
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
松本 大輔 畿央大学, 健康科学部, 助教 (20511554)
宮崎 誠 畿央大学, 教育学部, 特任助教 (60613065)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自助 / 互助 / エンパワメント / ヘルスプロモーション / 教育プログラム / 認知症 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、①研究の柱となるベースライン調査項目決定と介入プログラム計画のための文献、韓国の認知症対策に関する文献収集を行った。また情報の共有および研究計画の実施検討のための②科研会議を合計5回実施した。その他、③互助推進の課題把握のためのキーインフォーマントを対象とした半構造化面接法によるインタビューを実施した。④基礎データとなるベースライン調査を18歳~65歳未満の住民全員約550名を対象として1月に実施した。⑤「自助」および「互助」に対するポピュレーションアプローチとしてのシンポジウムを3月に介入地域にて実施した。⑥近年認知症対策を強化している韓国の保健所と療養病院の訪問調査を実施した。この調査施設調整のため、事前に韓国からの病院訪問団との交流会議を実施した。 成果として、③介入地域8名、滋賀県内の先進地域のボランティア4名にインタビューを実施した結果、支えることで生じる責任感や支援することへのやりがい感が支援する側のエンパワメントに影響していたが、反面個人的なことへどこまで介入できるのかという課題もうかがわれた。今後、介入地区の地区長や民生委員へのインタビューを引き続き行い、分析していく。④ベースライン調査では200名の回答を得た。分析は現在進行中である。⑤③の滋賀県先進地域の診療所医師の特別講演とインタビュー調査対象者であるボランティアグループを招聘し、分担研究者、介入地域のキーパーソン2名をシンポジストにしたシンポジウムを行った結果、約70名の住民参加があり、熱心に質疑応答がなされた。⑥韓国の保健所1施設と療養病院3施設を訪問調査した。保健所ではスクリーニング検診による早期発見と軽症者用の悪化防止プログラム、家族支援、啓蒙活動が委託方式で展開されていた。療養病院でもディケアと老人ホームを併設し、保健所同様のプログラムが重症度に応じて展開されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
29年度の計画のうち③のインタビュー調査については、逐語録の作成が全てできていないため、まだ分析が進んでいないことと介入地域の地区長や民生委員などキーマンとなる住民に対するインタビューがまだ実施できていないため、今後調整して進めていく予定である。 ④ベースライン調査について、調査項目の確定と委託業者の選定が遅れたことにより、調査実施時期が2ケ月遅れた。また回収も遅れたことにより分析がまだ実施できていない。回収率も督促葉書きを送付したが予想より低くなった。 ⑤のシンポジウムと⑥韓国の訪問調査は順調に実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は、③インタビュー調査の逐語録作成と調査を継続しながら、分析を進めていき、成果がまとまれば、学会に発表を行う予定である。 ④ベースライン調査のデータについて、対象住民の エンパワメント状況と生活環境や健康感、生活習慣との関連や互助意識との関連を研究者間で分析を進めていき、健康教育の中で住民に周知していくほか、介入地域の広報でも住民に周知し、互助の意識を高めていくようにしていく予定である。⑥韓国訪問調査については、保健所、療養病院それぞれの報告書を作成し、韓国の協力施設に調査結果の確認と公表内容の承認を得て、畿央大学紀要に発表していく予定である。 また30年度のメインの研究内容である⑦運動、⑧食生活、⑨認知症理解 の3つの健康教育プログラムを実施していく予定である。3つの各分担研究実施者と介入地域との教育内容(プログラム)および調整のための会議は1度実施しており、その後も調整を重ね、概ね会場や介入地域の協力体制を得ている。今後、6月までに住民に対する周知を図り、申し込みが増えるよう関係者および研究者間でその都度調正を行いながら、進めていく。 また介入前と介入後の変化を評価できるよう介入内容に沿った評価指標を設定し、分析をしていく予定である。
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Causes of Carryover |
分担研究者の内、1名が介入地域で開催したシンポジウムおよび次年度健康教育調整会議に所用のため出席できなかったため、使用する予定であった旅費が未使用となったことにより、繰越金が発生した。今後その調整を行って行くことで未使用分は使用していく計画である。
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