2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of education support system for community empowerment strengthening for residents in depopulated areas.
Project/Area Number |
17K01811
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
松本 泉美 畿央大学, 健康科学部, 教授 (00462028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 久美子 羽衣国際大学, 人間生活学部, 教授 (00587933)
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
松本 大輔 畿央大学, 健康科学部, 助教 (20511554)
宮崎 誠 畿央大学, 教育学部, 特任助教 (60613065)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自助 / 互助 / ヘルスプロモーション / 運動 / 食生活 / 認知症 / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、本研究のメインである①運動②食生活③認知症理解の3つの健康教育プログラムによる介入計画とし、科研会議を4回、村との調整会議を4回行ったほか、①~③の各分担研究実施者と介入地域との教育内容(プログラム)の調整は必要時メール等で行い、6月開始予定であったが、分担者スケジュール調整と参加者募集の遅れが生じた。参加者の確保と村内行事との調整を行った結果、2ヶ月~最大4ヶ月実施時期が移行した。 ①運動は、当初の4回連続形式では参加希望者の確保が困難となり、村開催の運動会時に身体組成とロコモティブシンドローム予防の項目を含む健康測定の実施とその結果に基づく生活上の活動量増加の保健指導を実施し、50名の参加を得た。 ②食生活は、村の移動販売車の提携先であるスーパーの協力を得て、分担者が考案監修した栄養バランスと減塩献立によるヘルシー弁当を開発し、喫食体験を通して学ぶ2回連続講座とした。また減塩につながるツールとしてプッシュ式醤油差しを提供し、使用状況について確認した。20名参加計画で、第1回目に10名、第2回目に15名の参加があった。参加者からは、塩分を下げる調理法で工夫された献立を体感することで家庭での調理を見直したいとの意見が多く見られた。 ③認知症は、4回講座とし、1~2回目は、認知症サポーター養成講座として、認知症の基礎知識と模擬患者への対応から学ぶ教育内容とし、164名の参加を得た。3~4回は、1~2回目参加者から連続参加可能な住民27名を対象に、グループワークを中心に課題探索と今後の互助活動について方向性を考えるプログラムとした。認知症については、村職員向けの認知症サポーター講座と民生員児童委員からの希望で研修を実施した。 その他に住民の互助と関係機関の連携ツールとして、地域特性に応じた高齢者見守り連携シートを作成し、連携ネットワーク化の検討材料とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成果として、ベースライン調査では対象住民の エンパワメント状況と生活環境や健康感、生活習慣との関連や互助意識との関連の分析が遅れているほか、運動教育では、介入教育プログラムによる参加者が得られなかったことから、介入前後の関連分析が困難となった。教育プログラムの介入効果については、介入前後の変化を評価できた食生活と認知症で分析した結果、食生活教育の2回連続参加者は6名となり、質問紙による塩分摂取量は低下し、エンパワメント尺度は上昇したが有意差は認められなかった。 認知症教育は、介入教育全4回参加した27名の内、前後比較用質問紙に全て回答した21名の認知症啓発に対する地域活動の変化について分析した結果、認知症者への支援の必要性については、受講前25.0%から受講後70.6%と上昇し、認知症啓発に対する活動の6ヶ月持続が、受講前50.0%から受講後61.1%に上昇した。 また韓国訪問調査については、保健所、療養病院それぞれの報告書を作成し、韓国の協力施設に調査結果の確認と公表内容の承認を得て、畿央大学紀要に投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度(2017)のインタビュー調査未実施であった介入地域のボランティアグループに対するインタビューを実施し、逐語禄を作成したので今後の住民の互助に対するエンパワメント要因を探索する。 ベースライン調査の詳細分析を行い、エンパワメント向上に関連する要因を探索し、2019年実施予定の評価調査との変化による介入効果について検討を行う。 また分担研究者による高齢者見守りツールとして、電気機器の充電用乾電池を用いた簡易な生活反応をデータ化しIT上集積活用できるシステムの試験調査を行い、へき地に適したツール開発の検討を行う。それらの成果を介入地域住民に還元していく。
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Causes of Carryover |
残額は、見守り連携ツールの開発のための研究が、介入地域の状況により進まなかったことから派生しているが、2019年度は、新たなツール使用の実験調査を行う。また介入後の評価分析を進め、学会発表や論文への投稿を行いつつ、並行して住民への成果の報告を行う。またベースライン調査との変化としての介入地域の住民の自助と互助に対するエンパワメント向上について、ベースライン調査と同じ対象に質問紙調査を行い、研究実施の総合評価を行う。
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