2019 Fiscal Year Annual Research Report
Physical activity, working time, and health status in school teachers
Project/Area Number |
17K01815
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高崎 裕治 秋田大学, 名誉教授 (40117297)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学校教員 / 身体活動量 / 仕事時間 / 健康状態 / 課外活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は学校教員の中でも従事者の多い小中学校の教員を対象に日常の身体活動量、仕事時間、及び健康状態を調査してその実態を明らかにし、学校教員の健康推進活動に役立てることを目的としている。 秋季(9~11月)に調査対象の小中学校へ出向き、被験者となる教員に活動量計、及び仕事時間と健康状態の調査票を配布した。活動量計は、普通に勤務する日に着衣時から脱衣時まで腰部に装着するよう指示した。2017~8年の調査により、小学校5校、中学校7校の学校教員合計308人(小学校120人、中学校188人)からデータを得た。最終年度(2019年)は調査結果をまとめるとともに調査対象とした小中学校の校長等,教員に面会し,調査結果を提示して感想等を聞き取り調査した。 以下に調査結果のまとめを①~⑧までの箇条書きで示す。 ①学校教員の仕事時間はOECDの調査結果と同等かそれ以上に長かった(小学校で平均10.8時間/日,中学校で平均12.1時間/日)。②男性教員は女性教員よりも早く出勤して遅く帰宅し,仕事時間が約30分長かった。③中学校の女性教員で健康上の問題で活動できなかったり悩みやストレスがあったりする者の割合が高かった。④学校教員では睡眠時間が6時間未満の者の割合が高く,睡眠時間が6時間以上の者よりも学校での仕事時間が長い傾向にあった。⑤学校教員の一日の歩数は約8000~9000歩であり,3メッツ以上の強度での運動量は5~6エクササイズであった。⑥中学校教員において,仕事時間と歩数の間に正の相関が認められた。⑦重回帰分析すると,仕事時間に影響するものとして小学校教員で性別,中学校教員で課外活動指導の有無があげられた。⑧教員への聞き取り調査から,現状では仕事時間の短縮に限界があり,学校教育そのものの在り方や制度設計など基本的なところからの働き方改革が必要なことが示唆された。
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