2019 Fiscal Year Research-status Report
地域特性を活かした世代間交流プログラムの実施と継続性のための体制作り
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17K01817
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40334445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 美奈子 平成医療短期大学, 看護学科, 教授 (40312855)
青木 利江子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 非常勤講師 (60780244)
佐々木 明子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20167430)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 世代間交流 / 居場所 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は新潟県新潟市で実施されている地域の居場所である「地域の茶の間」455か所にアンケートを配布し、405か所より回答があった(回収率89.0%)。そのうち同意の得られた401か所について分析を行った。開設のきっかけは、「仲間づくり」「孤立・閉じこもりの防止」「健康づくり」などが多かった。利用者層は65歳以上が9割を占め、女性の利用者が圧倒的に多かった。1回あたりの利用者平均人数は10~20人未満が全体の6割程度であった。運営主体は「地縁団体」が半数程度であった。世話人・ボランティアがいる場合、その方への支払いがないところが9割近くであった。専門職の関わりがあると回答したのは約7割、内訳として保健師が最も多かった。実感している「地域の茶の間」の効果として、「利用者の笑顔が見られるようになった」「利用者が健康に関心をもつようになった」などが多かった。継続の理由として、「利用者の満足度が高い」「利用者からの継続要請」「自分たちで活動を決められる」などが多かった。運営上の課題としては、「利用メンバーの固定化」「運営上の後継者の育成」「利用者が増えない」などが多かった。多世代交流を実施しているのは全体で3割程度、小学生との交流が一番多かった。多世代交流を実施する目的として、子どもに対しては「健やかな成長・発達の支援」、高齢者に対しては「生きがいづくり」「介護予防」、また全ての年代に対して「地域での居場所、仲間づくり」などがあった。多世代交流の内容で最も多かったのは、クリスマス会や餅つきなどの行事を通しての交流であった。代表者の年代は70代が最も多く、80代、90代の人もいた。自由記載では、茶の間を継続したいが後継者がいなくて今後が不安という意見がとても多かった。これらの結果をアンケート協力施設に報告するとともに、多世代交流等に関してさらに詳細の分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、「地域の茶の間」への全数調査は実施できたが、アンケートの実施時期および回収時期が当初の予定より遅くなったため、その結果に基づき、地域特性を生かした世代間交流の実施・継続できる体制の考案までには至らなかった。そのため、研究期間を1年延長し2020年度に継続して効果を検証することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査結果をもとに、他の自治体でも同様の取り組みが行えるか検証したいと考えていたが、COVID-19の影響で現在は、世代間交流を実施できない状況が続いている。そのため、昨年度のデータをもとにさらに詳細に分析を進めるとともに、今後、直接交流が行えない場合でも、オンライン等を駆使して交流が実現できないか新たな方法についても検討する。
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Causes of Carryover |
昨年度、調査結果を反映して他の地域も含めた効果の検証を計画していたが実施に至らなかった。今年度はデータ分析を進め、マニュアル作成など関係機関に広く情報を発信できる手段を整えるために研究費を使用する。
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Research Products
(3 results)