2021 Fiscal Year Research-status Report
就業女性の乳がん検診未受診の要因分析と支援対策の構築
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17K01818
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
藤原 由記子 鳥取大学, 医学部, 講師 (20457336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作田 裕美 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70363108)
深田 美香 鳥取大学, 医学部, 教授 (10218894)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳がん検診 / 就労女性 / 乳癌検診受診率 / 定期受診を阻害する要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳がん検診受診率向上に向けて、就業する女性の乳がん受診行動へ至らない要因を明らかにすることが目的である。乳がんに関する正しい知識や検診の利益や不利益など個人の受診行動を判断する知識をどのように提供し行動変容を促すかなど、支援対策を講じるために、2019年度に以下のことを研究実施計画に沿って行った。1.前年度に完成させた調査票や説明書などを印刷業者へ印刷を依頼。2.調査対象となる官公庁や一般企業を合わせた4つの施設の責任者へそれぞれ研究協力の承諾を得ることが出来たため、対象施設に就労する女性への調査票配布の手順や調査期間など、施設の責任者と打ち合わせを実施。3.調査は、研究対象施設における業務の繁忙状況を考慮し2019年7月~8月に調査票を配布し実施する計画であったが、対象施設の代表者と検討を重ね、年号改定により今後多忙が予測されることを考慮し、前倒して4月下旬から5月に調査票を配布した。4.調査期間終了後、留め置き調査のため研究代表者が各施設から調査票の回答を全て回収した。5.回収した回答の集計を行った。6.研究結果の集計をもとに量的データ分析を開始。2020年度も引き続き継続してデータ分析を実施。考察に至る。7.現在公表のための論文執筆を開始した。研究対象の平均年齢は51歳であり、乳がん検診受診率は高かった。回答者の約7割は非正規雇用であった。乳がん検診を受診している人は、受診していない人よりも配偶者や子供がいる傾向があり、受診していない人は非正規職員の割合が多く、職場環境に関して乳がん検診を受診しにくいと感じていることなどがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画は遅れ気味であったが、計画を修正、実行しつつ進めることができた。インタビュー調査は、対象施設の代表者との情報交換から、現状としてインタビュー可能な該当者が非常に少ないことが予測された。(就労しているウィークデイにおいて、個人のプライバシーを確保できる場所の選定が困難なことや、就労している女性を対象としているため、インタビューのための時間の捻出が対象者にとっては難しく、週末はさらに負担が大きいことなど)そのため、実施について検討していたところ、2020年度、さらに、コロナ禍となり、コロナの影響による研究対象施設の負担を考慮しつつ状態を鑑み、計画上の対象者の人数が確保できない上、対面でのインタビュー調査を実施することは対象者への不安や不利益となると考え、調査票の自由記述欄の内容に着目し、その内容分析によって代替え可能と判断した。 よって、計画の変更に伴うデータの分析なども含め、調査票の自由記述の質的帰納的分析を実施していくこととした。調査結果のデータ集計や分析に時間を要したことや、2020年度はコロナ禍での対応に加え、研究実施の時間確保が難しく計画的に研究を進めることが困難であった。2021年度は、本研究の論文執筆に至っており、論文は英文とし海外に向けた内容としたいため、考察に時間を要した。そこで、2022年度も延長申請を行い、承認を受けることが出来たため、2022年度中に論文を完成させて、研究終了に至る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、データをもとに論文を執筆した。本研究は国外への公表を目指しており、英文論文での公表に向けてブラッシュアップの段階である。 コロナ禍となり3年目であり、教育に要する時間も対面講義などが主となりつつ、授業準備を効率的に進めることが可能になってきたため、昨年度よりも研究時間の確保を行えると予測している。今年度は、研究時間を積極的に確保し、論文完成へ向けて執筆を行っていくことが課題である。
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Causes of Carryover |
英文校正の費用として取り置いたため。論文完成後、論文投稿に関する予算として支出し、報告する予定である。
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