2019 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム学生の適応支援に向けた総合的評価法と支援プログラムの開発
Project/Area Number |
17K01819
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 百合 広島大学, 保健管理センター, 教授 (90232321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 正治 広島大学, 保健管理センター, 教授 (20211659)
永澤 一恵 広島大学, 保健管理センター, 助教 (30771084) [Withdrawn]
松原 敏郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60526896)
三宅 典恵 広島大学, 保健管理センター, 准教授 (70548990)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム / 大学生 / スキルトレーニング / 適応評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,近年増加している自閉症スペクトラム特性を持つ大学生の不適応や二次障害を予防するための,支援の基本となる総合評価法と支援プログラムの開発を目的としている。 総合評価法の開発については,過去に受診・来談した自閉症スペクトラム特性を持つ大学生の臨床像(併存症を含む),適応状況,行動上の問題,社会的支援などを調査し,それをもとに適応評価尺度の開発を行なった。適応評価尺度は1)修学上の問題,2)対人関係,3)課外活動等,4)日常生活全般,5)精神症状,6)行動上の問題,7)衝動性とともに,8)社会支援や9)ストレス対処能力といったプラスの側面も総合的に評価できるものを作成した。 支援プログラムについては,構造は60分から90分を1セッションとして,10回を1シリーズとしている。内容は,1)導入(グループ体験を円滑に行うためのセッション),2)コミュニケーション場面の設定と評価,3)具体的場面のコミュニケーションスキルトレーニング,4)問題解決法を用いた現実問題の取り組み,5)感情への客観性,6)セルフトレーニングへの導入(グループ終了後も自身で取り組めるような支援),といった統合的なプログラムを作成した。大学生活に特化した具体的な内容をとりあげることで,より日常に取り入れやすい内容である。基本はグループプログラムであり,相互のコミュニケーション体験が可能であることや,時間的効率からみても,グループで行うメリットは大きい。しかしながら,集団活動が苦手で,グループに入れない学生がいるため,個人向けの支援プログラムも作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
適応評価尺度と,グループプログラムは作成した。 しかしながら,実施症例数がまだ少ないために,作成したプログラムの評価修正が十分ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
学会での発表等により,学術的・臨床的助言や提案を受けることでさらに修正・改善していく必要がある。 また,当初の計画よりさらに,個人向けのプログラムを作成し,修正していく予定である。
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Causes of Carryover |
プログラム実施数が少なかったため,統計等の作業を行えていない。 国際学会にて成果発表が行えなかった。 今年度はプログラム実施数を増加し(個別実施も含めて),成果を国際学会または国際誌に投稿する予定である。
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