2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an adaptation scale and adaptation support program for university students withautism spectrum disorder
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17K01819
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 百合 広島大学, 保健管理センター, 教授 (90232321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 正治 広島大学, 保健管理センター, 教授 (20211659)
永澤 一恵 広島大学, 保健管理センター, 助教 (30771084) [Withdrawn]
松原 敏郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60526896)
三宅 典恵 広島大学, 保健管理センター, 准教授 (70548990)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム / 大学生 / スキルトレーニング / 適応評価尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム学生が抱える不適応問題の実態を調査し、卒論や修論などの修学上の問題以外に、抑うつなどの精神症状の増悪、対人トラブル、ひきこもり(長期不登校を含む)、自殺関連問題等があげられた。自殺関連問題を抱える学生は抱えない学生より有意に抑うつを呈しており、対人トラブルを伴う学生は伴わない学生より有意に抑うつを呈する者が多かった。以上より、精神症状の把握とともに、ストレス対処スキルの獲得やコミュニケーションスキルの獲得、衝動コントロールが重要と思われた。それをもとに、感情コントロール、ストレスコーピング、問題解決、コミュニケーションスキルへの支援を含めた適応支援プログラムを作成した。本プログラムはグループで実施するのが効果的であるが、コミュニケーションの苦手さから、グループへの導入が困難である学生が多かったため、個別に実施した。今後は個別の介入からグループプログラムへとステップをふんで実施できるプログラムへ修正が必要と思われた。 また、自閉症スペクトラムと摂食障害の併存に注目し、適応状況と進路についての実態を調査し、大学生活における困難さを考察した。不登校群は登校群と比較して抑うつなどの気分障害を呈する者が有意に多かった。就職群と非就職群を比較したところ、摂食障害の病型別、罹病期間などの差は認めなかったが、非就職群で抑うつなどの気分障害が有意に多かった。 摂食障害を伴う自閉症スペクトラム学生は、修学上の配慮申請を行うことが少なく、その背景として疾患に対する自己スティグマ、低い援助希求行動、無力感などがある。また摂食障害や抑うつのために自閉症スペクトラム特性が見えにくい場合もあった。支援ニーズを見出し、治療的介入に加えて適切な修学支援が重要と思われた。
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