2019 Fiscal Year Research-status Report
NDBビックデータを活用した状態遷移確率に基づく健康プロセスモデルシステムの構築
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17K01820
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
宮内 義明 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (70410511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 治彦 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (40218201)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビックデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題の達成に向けて、次の1、2について研究を遂行した。 1.AI技術による自動精度向上と健康プロセスモデル選択機能の開発 本研究が対象とするNDBは、個人単位での健診等のデータが大規模に年々蓄積されていくことから、データベースから健診データを取り込むほど健康プロセスモデルの精度と信頼性がより向上していくように、近年急速に発展しているAI技術を応用して自動計算・更新する仕組みの開発に取り組んでいる。今年度は昨年度開発したテストプログラムの試行をより具体化すべく、サンプルデータから大規模試行用のデータを生成するアルゴリズムの検討と開発を行った。これにより生成した大規模データを用いて試行を行い、NDBのデータを入手後、システムを作動させた際に生じる問題の洗い出しを行った。 2.受診者の健康セルフマネジメントをサポートするAndroidアプリの開発 受診者が保健指導の場面以外でも日常的に健康プロセスモデルを活用することを実現するために、ユーザビリティの良いAndroidアプリによるエンドユーザアプリケーションの開発に取り組んでいる。今年度は昨年度に引き続き、前述1で開発しているAIシステムサーバの仮システムに接続するAndroidアプリのプロトタイプを開発した。現在、開発したAndroidアプリのデータ入出力、健康プロセスモデルの呼び出しなど基本機能についての検証を終え、操作性及び視認性といったユーザビリティについての検証を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
補助事業期間延長申請に記した通り、本研究の申請時点では2017年度から第3者利用を開始する予定とされていた厚生労働省のレセプト情報等オンサイトリサーチセンターが、現在も機能していないことにより、研究計画時に想定した承認プロセスと異なる要件が課されたこと、及び多額の研究費を要する堅固な情報セキュリティ環境整備を先行する必要に迫られている。今年度はそこに注力することになり、研究時間も研究費もひっ迫する状況となっている。更に年度終盤には新型コロナウイルス感染症の影響で共同研究者との共同作業も進めにくくなっており、研究の進捗に影響を受けている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、システム開発の部分は当初の計画通りAI技術による自動精度向上と健康プロセスモデル選択機能を併せ持つAIシステムサーバの、仮システムへのNDBビックデータの適用と、同本システムへの以降を行う。併せて受診者の健康セルフマネジメントをサポートするAndroidアプリのプロトタイプの検証を踏まえた改良を行い、両者を統合したシステムとしての運用を目指し研究を推進して行く。
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Causes of Carryover |
補助事業期間延長申請に記した通り、本研究で使用する対象データの追加確保と、データ利用環境整備に想定以上の時間と手間を要したことにより、研究計画の遂行に遅延が生じた結果、未使用分の助成金が出ている。具体的には、申請時点では2017年度から一般利用を開始するとされていた厚生労働省のNDBオンサイトリサーチセンターが現在も機能していないことにより、研究計画時に想定した承認プロセスと異なる要件が課されたこと、及び多額の研究費を要する堅固な情報セキュリティ環境整備を先行する必要に迫られたことによる研究遂行の遅延に伴う未使用助成金の発生である。 使用計画としては、補助事業期間の延長となった次年度に、遅延している研究計画を遂行し、現時点での未使用金は全て使用する予定である。尚、期間延長となった研究計画の遂行にあたっては、現時点での未使用金のみでは不足することが見込まれているが、自己資金により不足を補いつつ研究計画を完遂する予定である。
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