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2017 Fiscal Year Research-status Report

地域特性を考慮した熱中症予防情報の提供に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K01822
Research InstitutionKochi University of Technology

Principal Investigator

赤塚 慎  高知工科大学, システム工学群, 助教(PD) (80548743)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords気象データの空間代表性 / メソ数値予報GPVデータ / 自然環境・社会環境特性の把握
Outline of Annual Research Achievements

平成29年度は,気象観測データと数値予報データを用いて気象データの空間代表性の問題を解決する手法の検討を行った.さらに,国勢調査等の社会統計データをGISデータ化し,地域毎の自然環境・社会環境特性の把握を行った.
気象データの空間代表性の問題を解決する手法の検討では,面的なデータである気象庁のメソ数値予報GPVデータと気象庁の気象観測点における観測データとを比較検討することで,数値予報データの精度検証を行った.高知市の観測点では,気温に関しては,気象庁のメソ数値予報GPVデータの観測値よりも1~2 ℃程度高く推定されていることが明らかになった.また,相対湿度に関しては,気象庁のメソ数値予報GPVデータと気象庁の気象観測点における観測データとの間に3 ~-10%程度の違いが見られることが明らかになった.さらに,数値予報データの高空間分解能化手法の検討を行い,可降水量分布に関しては90mの空間分解能で推定することが可能になった.
また,市街地及び郊外において定点自動気象観測を行い,市街地及び郊外の温熱環境の違いを把握した.その結果,気温に関しては,市街地及び郊外における日最高気温や日平均気温に大きな違いは見られなかったが,日最低気温では大きな違いが見られた.特に郊外の里山では,最高気温は市街地と同程度まで上昇し,相対湿度は市街地よりも高い傾向が見られたことから,日中は郊外の里山においても熱中症に注意する必要があることが明らかになった.さらに,里山での生活空間の温熱環境を計測するため,半屋外空間実験施設として東屋の建設を行った.
公開されている平成27年度及び平成22年度国勢調査小地域集計(町丁・字単位)データのGISデータ化(地図化),及び他のGISデータ(土地利用等)整備した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

各地域を代表する気象データの作成手法を開発すること,地域毎の自然環境・社会環境特性を面的に把握すること,に関しては概ね順調に進んでいるが,各地域における熱中症予防のための基準温度の違いを明らかにし,地域特性の違いを反映した熱中症予防情報マップを作成することに関してはほとんど進んでいない.
各地域を代表する気象データの作成手法の開発では,自動気象観測装置を設置し継続的な気象観測を行い,気象庁のメソ数値予報GPVデータと比較することで数値予報データの精度検証を行っているが,今後はさらに多くの観測点で長期間にわたる比較を行っていく必要がある.さらに,気象庁のメソ数値予報GPVデータの空間解像度は5kmであるため,地域毎の気象環境を把握するためには,より解像度が高いデータが必要になると考えられる.
地域毎の自然環境・社会環境特性の面的な把握では,国勢調査データや国土数値情報を用いてGISデータとして整備した.今後も利用可能なデータの整備を行っていく.

Strategy for Future Research Activity

本年度は,各地域における熱中症予防のための基準温度の違いの検討を重点的に行っていく.地域毎に,人口10万人当りの熱中症搬送者数と熱中症発生日の日最高気温・日最高WBGTとの関係をグラフにし,各地域における熱中症発生の基準温度区分を明らかにする.しかし,気象庁の気象観測データやメソ数値予報GPVデータでは,空間解像度が粗いため地域毎の気象環境を把握することは困難である可能性がある.そのような場合は,対象範囲を絞り,領域気象モデルによるシミュレーションによる対象地域の気象環境の把握を行っていく予定である.領域気象モデルによるシミュレーションはおよそ200mの空間解像度を想定しており,シミュレーションに必要なデータの整備も併せて行っていく.
さらに,継続的な気象観測を行うとともに,気象庁のメソ数値予報GPVデータと気象庁の気象観測点における観測データとの違いの要因についても検討する.

Causes of Carryover

旅費及び学生謝金による支出がなかったため。次年度は気象観測装置の増設などのために物品費に充当して使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Estimation of precipitable water using numerical prediction data2017

    • Author(s)
      Shin Akastuka, Junichi Susaki and Masataka Takagi
    • Organizer
      International Symposium of the11th SSMS and the 5th RCND 2017
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

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