2017 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of rapid and simple test for detection of thyroid cancer
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17K01824
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
日野 るみ 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60451770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 聰 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30160485)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 甲状腺 / 腫瘍 / 蛍光プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、甲状腺を専門とする病理専門医であり甲状腺癌を主体とした甲状腺疾患の診断に関わってきた。近年、東京大学生体情報学教室浦野泰照教授が開発された蛍光プローブが癌特異的に光ることが報告され、申請者も共同研究で甲状腺癌特異的に光る蛍光プローブの候補を見出した。今回、先行する蛍光プローブ研究成果を応用し、迅速でかつ簡便な蛍光プローブ法による新しい甲状腺細胞検査方法の確立を目指し検討してきた。蛍光プローブ法は、試薬をかけるだけで癌細胞が光る簡便で画期的な方法であり、甲状腺癌早期発見、予防、あるいは福島原発事故後の甲状検査法への貢献という意味から、病理検査学的あるいは社会的貢献度は極めて高い。なお、申請者は協力機関病院に甲状腺外科的切除検体に対し倫理申請が承認されている。蛍光プローブ法の方法は、術中迅速診断で甲状腺癌(特に甲状腺乳頭癌)と診断されたものについて、腫瘍部と非腫瘍部を各々5x3x3mm程度切離し、蛍光プローブが溶解している溶液を噴霧し蛍光イメージングを行っている。蛍光プローブ液の至適濃度などは、既報告の肺癌細胞株を用いて検討を続け、至適実験条件は決まっている。現在は、臨床検体を用いた段階であり、16例の甲状腺乳頭癌を含む23例の手術検体について検討が済んでいる。興味深い事に、申請者の設定したプローブ濃度と実験条件を用いた結果、甲状腺乳頭癌特異的に蛍光プローブが特異的に蛍光性を有す事が見出された。これらの詳細は現在英文論文にまとめ英文校正まで済んでおり、近いうちに投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光プローブ実験の良好な至適条件が比較的早く決まったので、スムーズに臨床検体への応用に進むことが出来た為。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、蛍光プローブ研究は、臨床検体への応用段階にきているが、いまだ23例に留まるので、できれば100例を目指したい。さらに、免疫染色により細胞内にGGTが発現しているかどうかを確認し、またGGTの細胞内の局在も評価したい。GGTの活性が実際に細胞の蛍光性に寄与しているかどかを確認する為に、阻害剤を用いる事も計画している。甲状腺乳頭癌への蛍光プローブ法の有効性がある程度示す事が出来た後は、多くの臨床の現場でその方法が簡便に使えるようになる為に、現在高価である蛍光イメージャーに代わる簡易蔵置の開発を試みたいと考えている。
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Causes of Carryover |
実験で用いるイメージャーを貸与していただけた事や科研費交付前に予備研究で用いたプレパラートや染色試薬をしばらくの間使う事ができたので、事前の計画していた予算は次年度に繰り越す事ができた。本年度は免疫染色や阻害剤など試薬購入が必要なので、それらに繰り越し分を用いたいと考えている。
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Research Products
(2 results)