2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the selective brain cooling caused by the pungency-related (intraoral TRPV1 activation) sweating: application to prevention of heat stroke
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17K01828
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
犬飼 洋子 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10308950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 敏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90184879)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 味覚性発汗 / カプサイシン / カプシエイト / ワサビ / TRPV1 / TRPA1 / 辛味 / 痛み |
Outline of Annual Research Achievements |
当2020年度は、新型コロナウイルス感染が世界的に拡大し、感染すれば重篤な後遺症、死に至ることがあるゆえ、世界中で人同士の密接な接触、複数人の密集、換気の無い密閉空間を避ける努力がされているところである。しかし当該研究の実験は、人工気候室で室温設定するために「密閉」が必要である。しかも被験者に験者(研究代表者)が測定器具の装着や前処置、実験処置をするため「密接」、「密集」が避けられない。さらに当該実験は被験者口腔内に味覚物質を挿入し発汗反応を観察するゆえ、被験者はマスクができず口を開けてもらう必要があり、これらを合計2時間に渡って続けるため、ウイルスがもし陽性であれば感染リスクが非常に高い。よって研究遂行を中断せざるを得なくなった。当大学の活動基準でも、研究活動は「3密制限を完全に遵守することが可能な場合のみ実施する。原則、在宅での研究活動を行う。」とされ、被験者として募集していた学生は「全ての学生の入構を禁止する。」、「業務に関連する学外者との面会を原則禁止とする。」とされ、実験は不可能であった。したがって、当該年度の研究実績は無い。 今後の研究の展開であるが、「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う科学研究費助成事業の補助事業期間の再延長」の1年度延長が承認された。しかし新型コロナウイルスは今般、様々な変異株が発生しており、従来株より感染力が強く重症化リスクが高い。よって、1年以内に被験者に対する実験が可能となるとはますます到底想定できない。当該研究の実績をきちんと出すために、感染が終息し実験が可能となるまで補助事業期間の延長を願う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1. 学生を被験者として募集することは、当講座で従来行われてきたが、平成31年度に当学の倫理委員会で「当該研究を実施する研究者が担当する授業科目又は 実習等の成績評価期間外でなければならない」との取り決めがなされたため、教員である研究代表者は被験者募集が現実的にほぼ不可能となった。 2. 研究代表者の他の業務が多忙(学生の教育、国際学会での招待講演、多数の国内外の学会発表)であった。 3. 20年間使用してきた実験機器が、前年度に故障した。 4. 理由1により、前年度に被験者として学生の募集を成績評価が終了した春休みに予定していたが、その1月から新型コロナウイルス感染が世界中で拡大し、換気の悪い密閉空間,多くの人の密集,近距離での会話や発話が重なることを徹底的に回避する対策が不可欠となった。しかし当該実験はこれら全ての危険を全て冒して行う必要があるゆえ、実験が全く不可能となった。新型コロナウイルス感染蔓延は当2020年度にかけても収束するどころか、世界中で拡大し、さらに今般、従来株より感染力が強く重症化リスクが高い様々な変異株が発生、蔓延しており、以前にも増して実験開始ができなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染の恐れが無くなり次第、実験を開始したい。 本研究の申請当初、味覚刺激物質として、食品である唐辛子、生姜、本わさび、和からし(以上、辛味)、ショ糖(甘味)、塩(塩味)、インスタントコーヒー(苦味)、穀物酢(酸味)を予定していたが、濃度を明確にするために、濃度が明確かつ口腔内投与が安全な試薬を用いることにする。TRPV1、TRPA1物質の試薬は今後検索し、無ければ当初の方法で行う。その他の各味覚刺激物質は市販の試薬がある。 前年度の実験により、TRPV1のみでなくTRPA1活性化でも発汗する可能性が想定された。よって、味覚性発汗の誘発は、受容体の違いによるのか、痛みの有無によるのか、また発汗の性質はそれらにより異なるかの視点が必要である。よって各刺激による発汗の程度すなわち発汗開始時点、持続、範囲、頻度等を、ミノール法、サーモグラフィ、局所発汗量連続測定により詳細に検証する。とくにTRPV1は痛み、酸、43℃以上の熱のいずれでも活性化されるので、それぞれによる発汗反応の性質の違いに留意する。よって研究方法に、①温湯(TRPV1が最も活性化する48℃)を口に含んだ場合、②痛み刺激として“たわし”を口腔内に含んだ場合、を追加する。TRPA1を活性化する物質として炭酸水(Yuanyuan et al., 2010)を追加する。本研究は、口腔内の活性化箇所の検討でなく、また、刺激箇所による反応の不安定さを生じさせないように、全味覚物質による刺激方法を、全口腔法に変更する。結果により、「Ⅱ. 辛味性発汗を引き起こすのはTRV1に特異的か、もしくは痛みでも起こるか」の結論を導く。 同時に、「Ⅰ.カプサイシン受容体TRPV1が選択的脳冷却をどの程度促進するか」についての検証を、計画通り進める。
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Causes of Carryover |
当該年度に新型コロナウイルス感染が拡大し、とくに当該実験は感染リスクが高いため、実験を開始できなかった。よって、被験者謝金の支出がなくなり、また実験試薬は賞味期限があるため、購入を見合わせた。 次年度に、新型コロナウイルス感染が終息し、感染リスクが無くなった時点で実験・研究を再開し、これらを購入する。
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Research Products
(7 results)