2017 Fiscal Year Research-status Report
Time-series analysis on relationship between mortality from bone fracture, fall, downfall and ambient temperature
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17K01829
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
金森 雅夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90127019)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 気温 / 転倒 / 転落 / 死亡率 / 熱中症 / 時系列解析 / 最適温度 |
Outline of Annual Research Achievements |
「人口動態統計時系列データDVD」(2017年改訂版厚生労働統計協会)を用いて、1995-2015間の第20章損傷及び死亡の外因死亡W00-W17転倒転落の各要因について合計、性別年齢階級別、年齢調整死亡率の変化を明らかにした。転倒転落の死亡率の減少は顕著であった。転倒予防活動教育の推進との関連を調べ地域活動内容を年表化した。転倒の要因別でみると階段ステップからの死亡数は1995-2015年に増加している。年齢別死亡率をみると85歳以上で急激に減少している。65-70歳代に比べて75-80歳代は転倒死亡リスクが2倍上昇していた。また、65歳に比べて85歳以上は5倍以上の死亡率があった。 京都及び北海度気象台発表の環境温度などの気象情報と京都及び北海道の2000年から2015年についての環境温度の影響が考えられる脳梗塞・脳出血・心筋梗塞などの循環器系疾患の日別死亡数から時系列解析Time Series Regression Analysis の中のdlm 解析(distributed lag non-linear model)を行った。2017年9月Sydneyでの国際疫学会で発表、論文投稿した。この中で特徴的なのは、死亡率が最も低くなる最適温度Optimal temperatureは日最高気温(DMT)の84パーセンタイル値 に相当し、他の環境系の論文の結果と一致いていた。最低死亡率温度(MMT)は京都において25℃で1度上昇ごとに相対死亡リスク(RR) 1.08と増加していた(95% CI: 1.02-1.14)。一方北海道においてはDMT20℃、気温1℃上昇するとRR1.22( 95% CI: 1.15-1.28 at 97 percentile)でリスクが増大した。このことから今後の気温の上昇による健康への影響は寒冷地の方が大きいと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人口動態統計のCD版が出版元の関係で2018年3月にしか入手できなかった。新たな気象データを2018年度入手する予定である。気象のデータとICDデータのリンケージは2018年度後半に解析することになった。だた、最終年度の計画は妥当性信頼性の検討およびスポーツ中の事故、例えばなだれによる死亡や登山での転落などの事故について事例研究をする予定であり、2019年度の最終報告および研究到達点には影響がないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1995-2015間の第20章損傷及び死亡の外因死亡W00-W17転倒転落、熱中症・低体温症など自然の力による環境病の解析を時系列解析で進める。外気温と骨折・転倒とのモデル化を行う。気温以外の湿度、Time-Lagの考察について時間がかかることが予想される。Optimum Temperatureがあるのか否かを検証する。その際には湿度の変数も追加し、関連性を求めるが、国内外の専門家と協議する。海外の環境疫学専門家の指導・討議を経て、理解可能なベストモデルを作成する。また、出来上がった図表などの整理、視覚化を図る。Gasparrini(2016)は、Time Series Analysis をヨーロッパの都市間での年間気温と全死亡の関係を調査し、基盤の分布にポアソン分布を適応しているのを参考にできるかモデルの検討を行う。 本研究は、一日の気温と骨折・転倒転落による死亡率の関連を明らかにすることを目的とする。骨折・転倒は要介護の一要因であり、その後の転倒恐怖感などによってフレイル、認知症の要因となる。一方気候変動とヒートアイランド現象によって予期せぬ超過死亡が発生している(Quantitative risk assessment, WHO, 2015)。骨折や転倒の環境要因である気温を因子として時系列解析する意義は大きい。約40 年間の一日死亡率の解析によって骨折・転倒死亡率が増加する臨界温度を明らかにする。一日ごとの気温とその骨折・転倒死亡数を時系列解析Time Series Regression Analysis(Gasparrini, A, 2016)によって明らかにすることで、骨折・転倒死亡率の増加する臨界温度が明らかになる。このことにより早期の転倒予防策につながることが期待される。
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Causes of Carryover |
死亡率のデータベースの取得が2018年3月となり遅れた。最新の気象情報のデータベースの取得が2018年度に予定された。2つのデータベースを取得したうえでデータリンケージのための人件費を当初予定したが、気象データベースの取得が遅れ、2017年度は人件費を使用しなかった。2018年度には人件費を申請する計画である。
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Research Products
(8 results)