2021 Fiscal Year Annual Research Report
Time-series analysis on relationship between mortality from bone fracture, fall, downfall and ambient temperature
Project/Area Number |
17K01829
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
金森 雅夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90127019)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 転倒・転落 / 不慮の事故 / 疾病の外因死 / 気温・死亡率曲線 / 時系列解析 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
温度と死亡の関係について月別死亡のデータをもとに、京都、札幌の季節変動を研究してきた。そして、生活習慣病の死亡率を最低にする至適温度は、地域の年間の気温差の85パーセンタイル(月平均気温の最低値から85%値)付近であるという共通点を見出した。年間の気温・死亡率の最適曲線を推計することは、地域の高温・低温の超過死亡を予測する上で重要である。本研究発表の目的は、高齢者の年代別の月別の不慮の事故、転倒・転落死、疾病の外因死を総死亡と比較し、気温・死亡率曲線を求め、気温の上昇に伴う相対危険度を求めることである。 【方法】 ICD10に基づく転倒・転落、不慮の事故、疾病の外因死、及び転倒によって要介護となる疾患群:認知症、脳血管疾患の月別死亡率を対象とした。月別年齢別死因統計は日本の厚生労働省から公表されているものを用いた。地域は、京都、札幌、東京の3地域である。今回のデータ解析は、2010から2021年10月までである。月別気温は、気象庁の発表のものである。死亡率を対数変換し、気温との時系列解析によって最適曲線を求めた。 【結果と考察】 65歳以上の高齢者の気温と不慮の事故、疾病の外因死は、総死亡率と同じく、対数回帰が最も適合した。転倒の死亡率は気温による有意な差は認められなかった。 65歳以上の不慮の事故、疾病の外因による死亡は、総死亡と比べて至適温度に有意な差は認められなかった。秋の月間平均気温1℃の上昇は、不慮の事故死亡率において約3%上昇し、総死亡率の上昇と比較して約10倍であった。一方、冬の月間平均気温1℃の下降は、不慮の事故死亡率において約4%上昇、総死亡率と比較して約3倍であった。総じて現時点では、気温の上昇による死亡率への影響よりは、寒冷影響の方が大きいと考察された。しかし、近年夏の気温上昇に伴って、死亡率の相対危険度がより増加していることに注目する必要がある。
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Research Products
(5 results)