2018 Fiscal Year Research-status Report
小中学校におけるけいれん発作対応に関する教育プログラム開発と効果の検証
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17K01832
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
丸山 有希 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (50759389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 聡子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20616122)
菅野 由美子 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (60549145)
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 名誉教授 (10216658)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | てんかん / 小中学校 / 坐薬 / 健康管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、前年度の教員や教育委員会に実施したアンケート結果やインタビューデータから、学校現場でのてんかん発作の対応や、てんかん既往児の健康管理に関するニーズを分析し、学校現場で使える「てんかん対応マニュアル」を作成することが、大きな課題の1つであった。 全国的に教育委員会がてんかん発作への対応の研修会を行ったり、学校現場でのてんかん対応マニュアルを作成しているところがほとんどなく、現場の教員も情報が乏しい中での対応を迫られ、戸惑っている状況が見られた。学校現場の状況に沿った教員向けの「てんかん対応マニュアル」はてんかん既往児が在籍している学校の教員に具体的な対応を周知し、教員の学校でのてんかん既往児の健康管理をサポートするために有用だと考えられる。てんかん対応マニュアルの内容については、ニーズ調査の結果を踏まえ以下の内容を検討した。①てんかんと発作について、②てんかんの薬について、③坐薬の預かりと学校での使用に関する書式、④学校での発作対応、⑤てんかん既往児の学校での健康管理 「てんかん対応マニュアル」は、原稿がほぼ仕上がり、研究分担者でありマニュアルの監修を担当する小児神経専門医師に、原稿の内容チェックと修正を依頼している段階である。また、次年度に予定している、てんかんと坐薬使用に関する教員向けの研修会に関して、その内容や時間配分、会場、教員向けのアナウンス方法などについて、検討を進めた。研修会で必要な坐薬挿入の実技に使用するモデル人形などの機材の購入についても検討を進めた。 それらに加え、関係機関の倫理審査の有効期限が2年間であったため、2018年度末に2019、2020年の研究継続のための倫理審査を受け、承認が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は、てんかん対応マニュアルの原稿作成、印刷製本までが当初の計画であったが、研究分担者でマニュアル原稿の監修を担当している小児神経専門医の監修作業が年度末までに終了せず、印刷製本までには至らなかった。 当初の計画では、2018年度に作成したてんかん対応マニュアルを教員向けのてんかん研修会のテキストとして使用することにしていた。当初は2019年の3月までにマニュアルを完成させ、8月か9月に教員向けの研修会を実施する予定であった。マニュアルの完成が遅れたことにより、夏の研修会開催が難しくなったが、研修会の時期を冬までずらすと、てんかん既往児を担任している教員にとっては、研修会の後すぐにクラス替えとなり、研修を受けたメリットを当該児童生徒のために十分に活かすことができない。そのため研修会の開催を2020年度に持ち越し、新年度が始まってできるだけ早い時期に実施できるよう再考することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に原稿を作成した「てんかん対応マニュアル」については、小児神経専門医の監修が終わり次第、印刷、製本を業者に依頼する。 2019年度に予定していた教員向けの研修会は2020年度に持ち越しとなったが、新年度が始まってできるだけ早い時期に開催できるよう、2019年度中に研修内容についての計画を詰め、会場の確保、研修会の対象者である教員向けのアナウンス、申込みチラシの作成などを進める予定である。 研修会の参加前後で効果判定の質問紙調査を実施予定であるが、研修会を1学期中に終わらせて、後半に分析の時間を取り、2020年度内には計画通り研究を終了する予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度に完成させる予定であった「てんかん対応マニュアル」の原稿の監修が遅れ、印刷製本が当該年度中に完了しなかったため、当初予定していた印刷製本の予算が翌年度に繰越となった。 また、学会参加や研究会議のための出張費について、学会参加の出張費は、授業等の情報収集も兼ねていたため、所属機関の他の研究費から出費し、研究会議はメール会議等で当初の予定よりも開催回数が少なかったため、予算よりも少ない金額でおさまった。 教員向けの研修会開催にかかる費用について、2018年度中に物品購入を予定していたが、研修会が延期になったため、購入費用についても翌年度に繰越することになった。
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