2021 Fiscal Year Research-status Report
小中学校におけるけいれん発作対応に関する教育プログラム開発と効果の検証
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17K01832
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
丸山 有希 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (50759389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 聡子 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (20616122)
菅野 由美子 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (60549145)
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 名誉教授 (10216658)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | てんかん / 学校 / 教職員 / 緊急薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、教員向けのてんかんと発作対応に関する対応マニュアルを完成させ、冊子として希望する学校の教員や、教育委員会等に配布した。てんかんと発作に関する正しい知識と、学校での発作時の適切な対応、てんかんの既往がある児童生徒の学校での健康管理のポイントなど簡潔にまとめた冊子となっており、教職員への啓発に役立てることができると考えられる。 また、コロナ禍で延期になっていた、てんかんと発作時の緊急薬対応に関する教員向けの研修会を実施した。コロナ禍が続いているため、参加人数を絞り、1回につき16~17名の参加者で、2回開催した。参加者の大部分は特別支援学校や小中学校の養護教諭であったが、特別支援学校の担任教諭の参加も見られた。作成したマニュアル冊子をテキストとして使用し、研究者が講師として説明を加えながら研修会を進めた。プログラムの中に、坐薬挿入の実技研修も組み込み、モデル人形を使って参加者に坐薬挿入を体験してもらった。学校現場では実際に練習するのが難しい坐薬挿入の体験ができたことで、参加者から好評が得られた。 研修会参加者には研修会前、直後、3か月後に効果測定のアンケート調査を実施した。また調査の対照群は、研修会参加者に自分と年齢や経験年数が自分と近い人を紹介してもらい、2回のアンケート調査を実施した。対照群には調査協力の謝礼としてマニュアル冊子を配布することとしたところ、介入群の倍以上の75名の回答が得られた。 今後はアンケートの集計と分析を進め、研修プログラムの効果を検証し、プログラムのさらなるブラッシュアップに取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、当初予定していた研修プログラムを使用した介入が、予定通りに実施できず、期間を延長して昨年度に実施した。 当初の予定では4年間でマニュアル冊子の作成、研修プログラムの作成と介入のための研修会の実施、効果測定、eラーニング用のコンテンツの作成を予定していたが、5年目で介入の実施と効果測定アンケートの回収までが終了した状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、回収したアンケートを集計、分析し、研修プログラムの効果を判定する。 また、効果測定の結果と、研修参加者のアンケートの自由記述の内容等から、研修プログラムの改善点について検討し、プログラムのブラッシュアップを図る。 コロナ禍のため、本務である大学の授業や実習に関して、形態の変更を余儀なくさせられ、そのために教材を新たに作成したり、学内での実習のためのプログラムを作成するなどの業務が生じており、研究のエフォートを減らさざるを得ない状況である。そのため、場合によっては、eラーニング用のコンテンツの作成は見合わせて、プログラムの評価と今後のためのブラッシュアップに焦点を絞ることも考えていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、研究の進行が当初の予定より遅れており、結果の分析のための業者へのデータ入力費用およびeラーニングのコンテンツ作成用に残しておいた予算が執行できていない。また、当初予定していた学会参加のための旅費がリモート開催や学会自体の延期、中止等で、執行できていないため。 2022年度、データ分析や学会参加に関する費用および、雑誌投稿等の費用とするほか、eラーニングコンテンツの作成が進めばその費用として使用予定。もしくは、2021年度に作成したてんかんのマニュアル冊子を増刷し、必要とされる関係者に広く配布し、啓発を進めたい。
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