2020 Fiscal Year Research-status Report
介入による消化器癌周術期高齢者機能の改善と機能低下に影響するバイオマーカー探索
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17K01841
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 千恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50589786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
室谷 健太 久留米大学, 付置研究所, 准教授 (10626443)
柳川 まどか 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50566982)
藤原 道隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70378222)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者機能評価 / 消化器癌手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年間でさらに症例を集積したため、術前化学療法を施行した症例16例を除く41例を対象として再度解析を行った。 令和元年度の報告と同様、機能評価のスコアの平均値は、自立度(BADL、IADL)、認知機能(MMSE)、抑うつ(GDS-15)、錯乱(NEECHAM)において、術前と比べて退院時・術後6ヶ月のいずれも明らかな低下を認めなかった。これに対して、栄養(MNA-SF)および認知機能(CDR-J)は術前と比べて退院時に有意にスコアの低下を認めた。このため、さらに解析を追加し、機能評価の各項目のスコアの異常値を来す割合に関して評価を行った。自立度を示すIADLスコアが異常値を来す割合は、術前が5%に対して退院時が13%(p=0.0481)、術後6ヶ月が8%(p=0.3895)であった。栄養を示すMNA-SFのスコアが異常値を来す割合は、術前が35%に対して退院時が83%(p<0.0001)、術後6ヶ月が55%(p=0.0045)であった。他の項目のスコアは術前と比べて退院時、術後6ヶ月に有意な低下は認めなかった。さらに、術前と比べて退院時にBADLスコアの低下に関連した因子として、術後合併症の発生が、IADLスコアの低下に関連する因子としてせん妄が挙げられた。今回の検討においても、認知機能の低下と術前バイオマーカーの値に関連は認めなかった。さらにバイオマーカー探索を続ける。 高齢者機能評価を用いた検討の結果、術後自立度が低下する症例群が存在することがわかった。また認知機能については手術との関連の可能性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定より時間を要したものの令和元年度末をもって基本的な解析を終了した。令和2年度は成果発表を行う予定であったが、COVID-19感染症の影響を受けて、ほとんど成果発表できなかったため1年の延長手続きを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は令和2年度に行う予定であった成果発表を行う予定である。また、想定外に1年の時間を得たため、さらなる症例集積と解析を追加する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染症の影響を受けて成果発表ができなかった。 次年度は、成果発表を行う予定であるが、情勢から鑑みて十分な成果発表が困難である可能性もあるので、今回の結果から得た知見を踏まえてさらにバイオマーカー探索などを行う。
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Research Products
(3 results)