2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of new metabolism promotion mechanism through extracellular vesicles derived from skeletal muscle
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17K01843
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小林 由直 三重大学, 保健管理センター, 教授 (70378298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 暁子 三重大学, 医学系研究科, 特任講師(研究担当) (00598980)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / プロテオミクス解析 / 運動負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常成人男性17名(年齢中央値20歳)に自転車エルゴメーターを用いて高強度インターバルトレーニングHigh intensity interval training (HIIT) による運動負荷を行い、負荷前後で血液生化学データおよび血中EV数の変動を測定した。さらに、質量分析 (nano-LC-MS/MS) を用いてHIIT運動負荷により血中に放出されたEVのプロテオミクス解析(蛋白の同定および定量解析)を行い、KEGGパスウエイ解析を行った。 HIIT運動負荷後において、11名で血中EV数の増加が認められた。増加した群では、増加しなかった群に比べ、負荷直後の収縮期血圧および負荷120分後/ 負荷前の血中クレアチニン比 (Cr pre/ Cr 120 min) の有意な上昇が認められた。 質量分析 (nano-LC-MS/MS) を使ったプロテオミクス解析により、HIIT運動負荷前後において558のEV蛋白質が同定された。nano-LC-MS/MSによる定量解析により、これらのうち49のEV蛋白質がHIIT運動負荷直後または30分後において負荷前の1.5倍以上に増加していることが明らかになった。増加したEV蛋白に対するKEGGパスウェイ解析により、これらの蛋白質は、凝固系亢進、細胞外マトリックス蛋白の調節、酸化ストレスの除去、および酸塩基平衡の補正など、多くの経路に関与していることが明らかになった。 これらの結果より、HIIT運動負荷は心肺や骨格筋への負荷を伴いながら血中のEV数を有意に変化させ、EVを構成する蛋白成分の変化を介して、運動負荷に伴う全身の代謝調節に関与していることが示された。
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