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2021 Fiscal Year Research-status Report

過栄養性脂肪肝発症における膵臓―脳―肝臓の臓器間ネットワークと腸内細菌叢の関与

Research Project

Project/Area Number 17K01855
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

加隈 哲也  大分大学, 保健管理センター, 准教授 (80343359)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 正木 孝幸  大分大学, 医学部, 准教授 (00423715)
後藤 孔郎  大分大学, 医学部, 講師 (10457624)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2023-03-31
Keywords膵β細胞特異的TNFα過剰発現マウス / 糖尿病抵抗性 / 肥満抵抗性 / 脂肪肝抵抗性 / 免疫染色 / インスリン / グルカゴン / ソマトスタチン
Outline of Annual Research Achievements

膵β細胞特異的TNFα過剰発現マウス(TNFαTgマウス)では、ラ氏島由来のいずれのホルモン(インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン)の産生細胞も形態的に乱れており、パラクラインしたTNFαが障害していると思われた。TNFαTgマウスでは、特にグルカゴン陽性細胞は激減していたが、血中濃度は保っていた。しかしインスリン感受性が高く、血糖値が低く抑えられていることから、糖代謝においては、グルカゴンは機能的に障害されているものと考えている。一方で、TNFαTgマウスの肝臓では、脂肪合成は低下しており、嫌気性代謝、アミノ酸代謝が亢進していた。過栄養性状態において脂肪肝発症に抵抗性を示しており、ここでは相対的にグルカゴン作用が有意な結果であった。
膵臓ラ氏島において、それぞれのホルモンの病理学的な定量的評価が必要と考え、キーエンスのソフトで実施した。islet領域あたりの遺伝子発現を定量化したところ、インスリン陽性細胞はTNFαTgマウスでは野生型マウスの27%に、グルカゴン陽性細胞、ソマトスタチン陽性細胞はそれぞれ7%、5%まで低下していた。なお、グルカゴン陽性細胞/インスリン陽性細胞の比で検討すると、TNFαTgマウスでは野生型マウスの1/4になっていた。膵臓ラ氏島においては、定量的に見てもグルカゴン発現は弱いと解釈される。一方で、肝臓ではグルカゴン作用が優位になっていた。臓器特異的に、ホルモン作用には微妙なバランスの違いがある可能性を示しており、これがこのマウスの特異的な表現型を決定しているように思われた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

膵β細胞特異的TNFα過剰発現マウス(TNFαTgマウス)では、糖尿病抵抗性、肥満抵抗性、脂肪肝抵抗性という非常に特異的な表現型を呈している。islet領域あたりの遺伝子発現、定量的評価してみると、インスリン陽性細胞はTNFαTgマウスでは野生型マウスの1/4に、グルカゴン陽性細胞、ソマトスタチン陽性細胞はそれぞれ10%以下まで低下しており、グルカゴン陽性細胞/インスリン陽性細胞の比で見ると、TNFαTgマウスでは野生型マウスの1/4になっていた。膵臓ラ氏島においては、定量的に見ても、やはりグルカゴン発現は弱いと解釈される。一方で、肝臓ではグルカゴン作用が発揮されており(昨年までの成果)、TNFαTgマウスにおいては、臓器特異的に、ホルモン作用の微妙なバランスの違いがある可能性を示している。
医学部のある挟間キャンパスでは、現在でも、保健管理センターに勤務する医師は一人である。新型コロナ感染者、濃厚接触者のPCR実施、トリアージなどの対応に加え、新型コロナワクチンの職域接種などが重なり、本年も学生ならびに医学部職員の新型コロナ感染症の対応が一日の大半を占めている状況である。データの解析は進んでいるが、執筆活動が進まず、今年も科研費の執行を越年させていただいた。

Strategy for Future Research Activity

昨年秋には、まとめに入っていたが、新型コロナウイルス感染症の第6波襲来から、感染者の高止まりが続いている。大学内でのクラスターが起こったことなどから、現在でも、1ヶ月の2/3は、PCRを実施しているところである。早く論文化に向けて頑張っていきたいと思っている。

Causes of Carryover

新型コロナ対応により、研究にかかるエフォートが絶対的減っているため、予算に余りがでた。未使用額の予算は論文作成に使用する予定である。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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