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2020 Fiscal Year Research-status Report

Development of exercise therapy for obesity and malnutrition on the basis of the neural regulatory mechanism of appetitive motives

Research Project

Project/Area Number 17K01860
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

吉川 貴仁  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10381998)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywords食習慣 / 食意欲 / 脳磁図 / 無意識 / 補足運動野 / 交感神経
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、時間・空間分解能に優れた脳磁図法を用いた脳神経ネットワークの評価系によって、食意欲の促進・抑制バランスの破綻機序を解明し、その修復法として運動指導を含めた新規の脳科学的生活指導法の立案を目指す。令和2年度は、この破綻機序を解明する上で、特に食習慣形成の基礎となる個人の食欲・食行動における意識に上る情報処理過程と意識に上らない情報処理過程の双方に焦点を当て、それらの脳神経活動の差について検討することを目的とした。
健康成人男性31名を対象とし、食品画像と物体画像を各々見える(意識に上る)条件と見えない(意識に上らない)条件で提示し、その間の脳磁図測定を実施した。各脳部位におけるθ、α、β、γ帯域のパワー値の変化を検討した。見えない条件ではバックワードマスキングを用い、画像をごく短時間提示した直後に画像にマスク画像が重なるように提示した。また、画像提示中は心電図のRR間隔の周波数解析により自律神経活動を評価した。見えない条件において、画像提示時の交感神経活動が物体画像に比べ食品画像で有意に高いことが認められたが、見える条件では認めなかった。また、見えない条件で画像提示後500~1,000 ミリ秒の間で補足運動野でのθ帯域のパワー値の増加が、物体画像に比して食品画像で大きいことが認められたが、見える条件ではそのような脳活動の変化は見られなかった。
以上の結果から、無意識の食品画像提示で交感神経系の活動が増加することが確認された。また、補足運動野における脳活動が無意識下での食品画像処理に関わっていることが明らかになった。これらは意識に上らない食欲・食行動制御神経メカニズムの存在を示唆しており、それは意識に上る神経メカニズムとは同一でない可能性が考えられた。これらの成果は無意識下の食習慣や食行動の矯正法の開発や摂食行動に関連する神経メカニズムの解明に貢献すると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和元年度までの研究では、我々が開発した食意欲の促進・抑制バランスに関する脳科学的評価系(脳磁図法)を用いることで、視覚的食刺激に対する脳神経活動が身体的疲労や精神的ストレスの存在により大きく影響を受けることを明らかにしてきた。これらの研究成果を令和元年度までに海外学術誌に発表している。令和2年度は、食習慣形成の基礎となる個人の食欲・食行動における意識に上る情報処理過程と意識に上らない情報処理過程の双方に焦点を当て、それらの脳神経活動の差について検討を行い、得られた結果を論文として海外誌に現在投稿中である。これらの基礎的実験や論文作成にやや時間を要したが、次年度には、これまでの成果を基に、体型や性別、身体活動量を念頭においた解析・考察を行う予定であり、本研究は全体として順調に進んでいると考える。

Strategy for Future Research Activity

令和2年度までの研究で注目した身体的疲労や精神的ストレスを含む日常生活における様々な負荷要因や、食環境における意識に上らないような食品刺激は、食習慣形成の基礎となる個人の食欲・食行動を左右する脳神経活動と深く関連し、好ましい生活習慣の定着を阻む可能性があると考えられる。この点は種々の生活指導法全体を考案する上でも重要であると考える。令和3年度には、現在投稿中の論文発表を目指すとともに、これまで得られたヒトを対象としたデータを再検討・分析し、本研究全体を通して、食意欲の促進・抑制バランスの破綻修復に必要な生活指導法の立案を行っていく予定である。

Causes of Carryover

令和2年度は、食習慣形成の基礎となる個人の食欲・食行動における意識に上る情報処理過程と意識に上らない情報処理過程の双方に焦点を当て、それらの脳神経活動の差について検討を行った。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響でヒトを対象とした研究計画を変更することになり、その実験や解析、論文作成に時間を要したため、未使用額が生じた。次年度には現在投稿中の論文発表を目指すとともに、これまで得られたヒトを対象としたデータを再検討・分析し、本研究全体を通して、食意欲の促進・抑制バランスの破綻修復に必要な生活指導法の立案を行っていく予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 Other

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 脳からみた食欲の仕組みと運動の繋がり‐食・動・脳連関2020

    • Author(s)
      吉川貴仁
    • Organizer
      第34回近畿小児科学会 シンポジウム
    • Invited
  • [Remarks] 大阪市立大学大学院医学研究科 運動生体医学

    • URL

      http://www.med.osaka-cu.ac.jp/sportsmed/index.html

URL: 

Published: 2021-12-27  

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