2017 Fiscal Year Research-status Report
Central blood pressure wave analysis during dynamic exercise test for the assessment of peripheral vasodilatory function
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17K01861
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
宮井 信行 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40295811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 名誉教授 (40168018)
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90268491)
寺田 和史 天理大学, 体育学部, 准教授 (40454798)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 運動負荷試験 / 中心動脈圧波形 / 血管内皮機能 / 動脈硬化 / 心血管疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動負荷時の動脈圧波形解析に基づく血管内皮機能評価の妥当性を検証すること(課題①)と、多集団にも適用可能な簡便な評価法を確立すること(課題②)が目的である。 平成29年度は、まず、課題②に係る基礎データの収集を目的として、我々が実施している地域疫学研究の参加者を対象に調査を実施した(平成29年7~11月)。対象者は、特定健診または後期高齢者健診を受診した約1,300名で、今回は、主に安静時の中心動脈圧波形の測定を行った。 続いて、課題②として、某事業所の従業員を対象に調査を実施した(平成30年1月)。対象集団として、脳心血管疾患、腎疾患、糖尿病、高血圧の治療歴がなく、血圧が正常域にある男性の中から、多量喫煙者と少量喫煙者を抽出し、同意の得られた35名が調査に参加した。対象者には、自転車エルゴメーターを用いた運動負荷試験を10分間実施し、負荷前と負荷終了後(直後、3分後、5分後)に中心動脈圧波形を計測した。また、他の血管機能の指標(PWV、頸動脈IMT)、血管障害に関する血中・尿中バイオマーカーの測定を行った。 課題②について、既存データも追加して解析を行った結果、非喫煙群、少量喫煙群、多量喫煙群における動脈圧波形は、運動前では差は明確ではなかったが、運動終了後では、喫煙量が増加するにつれて連続的に反射波成分が上昇する変化が認められた。多変量解析による検討では、交絡因子の影響を考慮しても、多量喫煙が運動終了後の反射波成分の上昇に有意に関連した。したがって、正常域血圧の中年男性の場合、喫煙の影響は安静時には顕在化しにくいものの、運動負荷時には、運動誘発性に起こる末梢血管の拡張反応が減弱することで反射波成分を上昇させるものと考えられた。このことは、運動負荷に伴う動脈圧波形変化の解析が血管内皮機能の評価に有用であることを支持する結果であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題①に関する調査については、当初の予定よりはサンプル数は少なかったものの、概ね計画通りの内容で実施することできた。課題②については、我々が実施している地域疫学研究においてデータ収集を行った。今回は、安静時の動脈圧波形の計測を中心に行ったため、運動負荷時の波形変化の評価については十分なサンプル数を確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,前年度に引き続き,課題①および②に必要なデータ収集を行う。課題①に関しては、血圧高値、脂質異常、高血糖などの危険因子の有無と集積が運動負荷時の動脈圧波形に及ぼす影響を検討する。課題②に関しては、地域疫学研究の参加者を対象に,安静時および運動負荷時の動脈圧波形の計測を行うものとする。これらの検討課題について、計画に従って研究を遂行するよう調査地域や協力施設との連絡調整を綿密に行うとともに、いずれかの課題で予定した通りにデータ収集できないときは、計画を修正しながら対応し、平成31年度(最終年度)までに到達すべきサンプル数を確保する。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、課題②に関して、安静時の中心動脈圧波形の計測を優先して実施したため、研究者の旅費、調査補助またはデータ入力・集計に係る人件費等が予定額より少なくなった。 平成30年以降の課題①および②の調査における研究者の旅費と調査補助者等への謝金に充填する。
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Research Products
(3 results)