2019 Fiscal Year Research-status Report
Central blood pressure wave analysis during dynamic exercise test for the assessment of peripheral vasodilatory function
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17K01861
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
宮井 信行 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40295811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 名誉教授 (40168018)
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90268491)
寺田 和史 天理大学, 体育学部, 教授 (40454798)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 運動負荷試験 / 中心動脈圧波形 / 血管内皮機能 / 動脈硬化 / 心血管疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動負荷時の動脈圧波形解析による血管機能評価の有効性を明らかにするとともに(課題①)、多集団にも適用可能となる簡便な評価法を確立すること(課題②)を目的とする。 これまでの検討では、まず、血管障害を誘発する危険因子である高血圧、脂質異常症、耐糖能障害、喫煙が波形変化に及ぼす影響について分析を行った。その結果、高血圧、脂質異常症、耐糖能障害を重複して保有する者、喫煙量が多い者では、運動負荷中および終了後における中心動脈圧波形の反射波成分(中心動脈と末梢動脈の脈圧比:PPA、増幅係数:AI)の増強を認めた。このことから、危険因子の曝露が運動誘発性に起こる血管拡張反応を低下させるとともに、その変化が動脈圧波形に鋭敏に反映されることが示唆された。さらに、運動負荷中の平均動脈圧が、上腕-足首間脈波伝播速度(動脈硬化度)、微量アルブミン尿(内皮機能障害)、高感度CRP(血管炎症)などの血管障害のマーカーと有意に関連することも示された。したがって、運動負荷に伴う中心動脈圧波の波形パターンを解析することで、安静時には顕在化しにくい血管の微小炎症や内皮障害を捉えられる可能性が示された。さらに、地域の一般住民を対象に行った大規模調査で収集したデータを用いて、運動負荷に伴う動脈圧波形のパラメータの変化を検討した結果、軽強度で負担の少ない簡易なステップテストであっても、性差や年齢差または危険因子の有無に応じた特徴を捉えられることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題①については、健康な若年男性を対象とした基礎調査を行い、血管機能評価に対する中心動脈圧波形解析の有効性を検討する上での補助的データを収集することができた。一方で、県内の事業所の協力を得て実施している調査については、必要なサンプル数に到達できていない。課題②については、昨年に引き続いて、県内の複数の地域の住民を対象とする地域疫学研究のなかで調査を実施した。運動負荷時の中心動脈圧波形解析に基づく簡便な評価法を確立する上で必要なデータとして、安静時の血圧波形データについては着実に収集できているが、運動負荷に伴う波形変化に関してはまだ不十分な状況にある。ただし、既存のデータも追加しながら検討を始めており、一定の成果が得られているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
計画①については、調査の実施方法や時期について協力施設と協議した上で、データ収集を継続したいと考えている。その上で、高血圧、脂質異常症、耐糖能障害、喫煙などの危険因子の影響および他の血管障害のマーカーとの関連の解析を行い、血管機能の評価法としての有効性や妥当性を検証していく計画である。課題②については、運動負荷に伴う波形変化について十分なデータが確保できるように努める。その上で、多集団にも応用可能となる簡便な評価法を確立するための検討を行うこととする。なお、新型コロナウイルス感染症の影響で計画通りに調査が遂行できるかどうかが不透明な状況にあるため、必要に応じて計画を修正していく考えである。
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Causes of Carryover |
課題①について、依然として十分なサンプル数に到達できていないため、引き続き、データ収集のための調査を実施したいと考えている。このための調査補助者等への謝金、各種検査に係る費用および消耗品の購入等に使用する計画である。また、今年度は最終年となることから、研究成果のまとめと成果の発表に必要な経費に充てたいと考えている。
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Research Products
(5 results)