2019 Fiscal Year Research-status Report
胎児期から小児期の成長の軌跡を指標とした生活習慣病への先制医療の確立
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17K01867
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
菊池 透 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10240772)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 小児 / 郵送健診 / トラッキング / 脂質異常症 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
見附市小児生活習慣病健診の受診者に対する郵送健診やアンケート調査などの追跡調査研究を実施した。見附市小児生活習慣病健診を2008年、小学校4年生時に受診し、2019年に成人式を迎えた306名に、本調査研究の案内を郵送した。10名が宛先人不明であった。その内、42名(男17名、女25名)が本調査研究に同意し郵送健診に参加した。捕捉率は13.7%であった。郵送健診キット「予防がいちばん!健康チェッカー」 (DEMECAL、リージャーラボラトリ―)を使用した。総コレステロール、 HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪、AST、ALT、尿酸、血糖、HbA1cを測定した。また、身長、体重、腹囲、血圧を自己測定し、自己申告とした。一方、小児生活習慣病健診では、身長、体重、肥満度、腹囲、血圧、総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロールを測定していた。 郵送健診の結果から男、女の有所見は、それぞれ、肥満(4名、2名)、やせ(2名、4名) AST高値(3名、0名)、ALT高値(4名、1名)、LDL-コレステロール高値(2名、3名)、中性脂肪高値(1名、0名)、尿酸高値(2名、1名)、血糖高値(6名、6名)であった。 小児生活習慣病健診結果と郵送健診結果との相関は、総コレステロール、LDL-コレステロール、肥満度とBMI、腹囲で確認でした。 総コレステロール、LDLコレステロール、肥満度(BMI)、腹囲は10歳かから20歳にかけてトラッキングしていた。小児生活習慣病健診で、小児期に自分自身の健診結果を知ることは、成人後の生活習慣病を予防するために重要である。また、郵送健診は、一般市民を対象にした調査にとって有用な方法と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存の匿名化された小児の生活習慣病健診データの解析用データベースの作成が一部完成し、解析中である。 見附市小児生活習慣病健診の受診者に対する郵送健診やアンケート調査などの追跡調査研究は、令和1年度に実施し、データベースを作成し、その概要の解析が終了した。その結果は、第33回日本小児脂質研究会(令和1年12月1日、熊本市)で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
既存の匿名化された小児の生活習慣病健診データの解析用データベースの作成を進行させる。特に、身長、体重、BMI、腹囲などの成長指標の縦断的解析データベースを作成する。解析結果は、学会等で発表し、論文化する。また、見附市小児生活習慣病健診の受診者に対する追跡調査研究は、データ収集が終了し、その概要の解析を行った。令和2年度は、詳細な解析を加え、学会発表等で発表し、論文化する。
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Causes of Carryover |
得られたデータをさらに解析するため。また、成果報告のために論文の作成および国内学会、国際学会に参加する。助成金はこれらに使用する。
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