2020 Fiscal Year Research-status Report
胎児期から小児期の成長の軌跡を指標とした生活習慣病への先制医療の確立
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17K01867
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
菊池 透 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10240772)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 小児 / 郵送健診 / 肥満 / トラッキング / 脂質異常症 / 出生体重 |
Outline of Annual Research Achievements |
見附市小児生活習慣病健診の受診者に対する郵送健診やアンケート調査などの追跡調査研究を実施した。見附市小児生活習慣病健診を2008年、小学校4年生時に受診し、2019年に成人式を迎えた306名に、本調査研究の案内を郵送した。その内、36名(男15名、女21名)が本調査研究に同意し郵送健診に参加した。郵送健診キット「予防がいちばん!健康チェッカー」 (DEMECAL、リージャーラボラトリ―)を使用した。総コレステロール、 HDL-コレステロール、LDL-コレステロールを測定した。また、身長、体重、腹囲、血圧を自己測定し、自己申告とした。小児生活習慣病健診結果と郵送健診結果との相関は、総コレステロール(r2=0.35)、LDL-コレステロール(r2=0.53)、肥満度とBMI(r2=0.66)、腹囲(r2=0.64)であった。総コレステロール、LDLコレステロール、肥満度(BMI)、腹囲は10歳かから20歳にかけてトラッキングしていた。小児生活習慣病健診で、小児期に自分自身の健診結果を知ることは、成人後の生活習慣病を予防するために重要である。また、郵送健診は、一般市民を対象にした調査にとって有用な方法と考えられた。 新潟県見附市および五泉市で2013年以前に実施された小児血圧健診および小児生活習慣病健診の匿名された約12,000名のデータから、解析用データベースを作成した。 見附市の小児生活習慣病健診のデータベースから小学校4年生3627名と中学校1年生3002名の肥満度および腹囲と出生体重の関連を検討した。その結果、出生体重と肥満度、腹囲は正の相関があった。また、腹囲では、出生体重が軽い群が高値をとるU字分布の傾向がみられた。低出生体重児は、内臓脂肪蓄積が起こりやすいことが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存の匿名化された小児の生活習慣病健診データの解析用データベースの作成が一部完成し、解析中である。 見附市小児生活習慣病健診の受診者に対する郵送健診やアンケート調査などの追跡調査研究は、令和1年度に実施し、データベースを作成し、その概要の解析が終了した。その結果は、第123回日本小児科学会学術集会(2020年10月21日、web)で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
既存の匿名化された小児の生活習慣病健診データの解析用データベースの作成を進行させる。特に、身長、体重、BMI、腹囲などの成長指標の縦断的解析データベースを作成する。解析結果は、学会で発表し、論文化する。また、見附市小児生活習慣病健診の受診者に対する追跡調査研究は、データ収集が終了し、その概要の解析を行った。令和3年度は、詳細な解析を加え、論文化する。
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Causes of Carryover |
得られたデータをさらに解析するため。また、成果報告のために論文の作成および国内学会、国際学会に参加する。助成金はこれらに使用する。
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