2017 Fiscal Year Research-status Report
痩せた女性の糖負荷後高血糖の原因探索とその臨床応用
Project/Area Number |
17K01868
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐藤 淳子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10529837)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染谷 由希 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (10597090)
田村 好史 順天堂大学, 国際教養学部, 教授 (80420834)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 糖尿病 / IGT / 痩せ / 閉経後女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】痩せた日本人女性(BMI <18.5kg/m2)は、糖尿病発症リスクが高いことが報告されているが、痩せた IGTの病態は不明である。【目的】痩せた閉経後女性のIGTの病態を明らかとする。【方法】対象は、健常な痩せた閉経後女性13名(IGT群, n=9 vs NGT群, n=4)。ダブルトレーサー法を用いた75gOGTTを行い、EGP、経口摂取された糖の出現率 (Ra-Oral; rate of appearance of oral glucose load)、糖消失率 (Rd; rate of disappearance)をそれぞれ算出し、NGT群とIGT群の群間比較を行った。【結果】IGT群ではNGT群と比較し、75g糖負荷後120分間のRdの曲線下面積が有意に低値(1293.5±208.1 vs. 1683.9±370.0 mg/kg FFM, P<0.05)であった。実際に糖消失量(主に骨格筋糖取り込みを反映)を算出すると、75g糖負荷後の120分間でIGTではNGTに比べ約18g消失量が少なかった(39.8±9.5 vs. 57.4±14.4 g, P<0.05)。その一方でEGPの曲線下面積、Ra-Oralの曲線下面積は両群間で同等であった。また、IGT群はNGT群と比較して、インスリン濃度曲線下面積が有意に低値(2.6±0.8 vs. 4.8±0.9 U·min/ml·103, P<0.01)で、Rdの曲線下面積とインスリン濃度の曲線下面積は強い正の相関 (r=0.70, P<0.01)を示した。【考察】本研究の結果、痩せた閉経後女性のIGTにおける高血糖の主因はRdの低下であり、標準体重者や肥満者とは病態が全く異なることが示された。また、IGTにおけるRdの低下はインスリン分泌の低下が関与している可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標30名のうち、現在13名のダブルトレーサーを施行し、結果を2018年5月の日本糖尿病学会で中間発表することが可能となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
さらに対象をふやし、結果に相違がないかを検討していく。また健常女性との比較を行い、差があればその理由を解明し、理論構築を行い、生活習慣にアプローチするオーダーメイド型の介入方法を検討することを目標としている。
|
Research Products
(1 results)