2018 Fiscal Year Research-status Report
高脂肪食負荷によるインスリン抵抗性と腸内フローラの変化との関連の検討
Project/Area Number |
17K01870
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
金澤 昭雄 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30407259)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内フローラ / インスリン抵抗性 / 高脂肪食 / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病の発症には肥満にともなうインスリン抵抗性が関与すると考えられているが、日本人2型糖尿病患者の平均のbody mass index(BMI)は23kg/m2と欧米人 と比べて極めて低く、肥満を合併しない2型糖尿病におけるインスリン抵抗性の発症機序については未だ十分には明らかになっていない。 また、日本では急速な食生活の欧米化のためメタボリックシンドロームが急増しており、その発症には腸内フローラのバランス異常が関与している。特に高脂肪 食の食事は腸内フローラが産生する短鎖脂肪酸の減少と関連し、短鎖脂肪酸の減少は腸管バリア機能を低下させる可能性も指摘されている。それゆえ、健常成人 を対象として脂肪分の多い食事が短期的にでも腸内フローラのバランス異常を惹起し、腸管バリア機能に影響を与えるか否かは重要な臨床的課題である。このよ うな腸内フローラのバランス異常は腸管バリア機能を低下させることで微小な炎症が惹起され、インスリン抵抗性の原因のひとつであることが報告されている。 そこで、我々は非肥満日本人において、短期間の高カロリー高脂肪食摂取がどのように腸内フローラのバランスや腸管バリア機能に影響を与えるかを評価し、インスリン抵抗性の発症機序として腸内フローラの役割を検討することを目的とする。 現在まで、非肥満の日本人を対象として、高脂肪食負荷前後でグルコースクランプを施行し、インスリン抵抗性の評価を行うとともに、便を採取し、次世代シー クエンサーを用いて腸内フローラを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25人の非肥満の日本人を対象にしてグルコースクランプ法によるインスリン感受性の評価と腸内フローラの解析を行う予定であったが、現在までのところ、25名においてグルコースクランプの試験が終了した。 グルコースクランプを施行した25名のうち、高脂肪食負荷前後で20名の被験者において腸内フローラ解析のための便の採取が終了した。 現在、この20名で次世代シークエンサーにて腸内フローラを解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は次世代シークエンサーの解析が終了した時点で、インスリン抵抗性と腸内フローラの組成との関連を検討し、結果が得られれば、論文作成へと進む予定である。
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