2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病食事療法における科学的根拠の構築:各種脂肪酸によるDPP4調節機序の検討
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17K01872
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
角田 伸代 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (60337483)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DPP4 / 脂肪酸 / 膵臓細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
DHA、EPA、リノール酸、オレイン酸がDPP4活性に及ぼす影響について、マウス膵臓β細胞株であるMIN6を用い検討を行った。 糖尿病条件下における検討を行うため、インスリン抵抗性惹起作用を有するパルミチン酸(PA)を基盤とし、その一部を各種脂肪酸に置換、添加した。24時間培養後、Glucose Stimulated Insulin Secretion Assayを行い、培地および細胞溶解液上清を採取し、培地中遊離型および細胞膜貫通型DPP4活性、インスリンレベル、GLP-1レベルを測定することで、 膵臓細胞におけるDPP4活性調節作用を検討した。 インスリン抵抗性惹起作用のあるパルミチン酸を添加することで、培地中遊離型DPP4活性の有意な上昇が見られたが、PAの一部をDHA、EPAに置換し添加することで、上昇は有意に抑制された。同様に、インスリンレベルもPA添加において低下したが、DHA、EPAの一部置換で上昇した。リノール酸およびオレイン酸では、培地中遊離型DPP4活性の有意な抑制やインスリンレベルの上昇はみられなかった。 これらの結果から、膵臓細胞におけるDPP4活性調節作用は、リノール酸、オレイン酸に比べ、DHA、EPAで強くみられることがわかった。また、DPP4活性抑制は、膵臓細胞からのインスリン分泌上昇に関連していることも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵臓細胞であるMIN6を用い、EPAやDHAをはじめとした脂肪酸のDPP4活性に及ぼす影響を検討し、順調に成果が出始めていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
MIN6においてパルミチン酸によるインスリン分泌障害を引き起こした際のDHAおよびEPAのDPP4活性調節機序について、さらに詳細に検討を行う予定にしている。また、パルミチン酸以外(TNFαや尿酸など)を用いてインスリン分泌障害を引き起こした場合においても、DHAやEPAがDPP4活性に及ぼす影響が同様であるかについて、あわせて検討を行う予定である。
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